いびきに効く薬はある?飲み薬・サプリ・点鼻スプレーを別枠で

ドラッグストアでいびきの薬を探して、結局何も買わずに帰った夜があります。棚のスプレーを裏返しても、何に効くのか書いていなかったからです。
先に言います。いびきそのものを止める飲み薬やスプレーは、私が調べた範囲では見当たりません。ただ、鼻やのどの状態を一時的に整える使い道はあります。何に向くかだけ、冷静に並べます。
この記事の目次
薬とスプレーを、物理グッズと別枠で考える
いびき対策を薬局で探すと、棚は大きく二種類に分かれています。ひとつは鼻に貼るテープや口をとめるテープ、マウスピースのような、体を外から支える道具。もうひとつが、飲み薬やサプリ、点鼻スプレー、のどスプレーのような、体の中の粘膜に働きかけるものです。この記事が引き受けるのは後者、薬やスプレーの側だけです。

なぜ分けるかというと、効き方の理屈がまるで違うからです。外から支える道具は、鼻の穴を広げる、口を閉じる、顎を前に出すというように、気道の形を物理的に変えにいきます。一方で薬やスプレーは、鼻やのどの粘膜の腫れや乾きといった、状態のほうに働きかけます。形と状態は別の話なので、同じ棚に並んでいても、効く相手が違います。
もうひとつ、大事な前提があります。私が調べた範囲では、いびきそのものを止めると認められた飲み薬やスプレーは、市販の棚には見当たりませんでした。あるのは、鼻づまりに向けた薬、のどの乾燥に向けたスプレー、リラックスや睡眠をうたうサプリで、いびきという言葉は箱の表に大きく書いてあっても、効能の欄には別のことが書かれています。ここを読み分けられるかどうかが、無駄打ちを減らす分かれ目でした。
三つのカテゴリを、何に向くかで分ける
薬やスプレーと一口に言っても、中身は三つに分かれます。順位ではありません。自分のいびきに関係するのはどれか、当たりをつけるための引き出しだと思ってください。
1. 飲み薬(内服)
いびきを直接止める飲み薬は、市販の棚にはほぼありません。関係してくるとすれば、鼻炎やアレルギーに向けた内服です。鼻の粘膜の腫れが引けば、鼻で吸える量が戻り、口を開けて吸う流れが減ることがあります。つまり飲み薬が届くのは、あくまで鼻づまりが土台にある人の、その鼻の部分までです。舌の付け根が落ちるタイプや、喉そのものが狭いタイプには、飲み薬は的を外します。なお、アレルギーの薬のなかには眠気を強めるものもあるとされていて、そこは注意が要ります。
2. サプリメント
のどや睡眠をうたうサプリは種類が多いのですが、これらは薬ではなく食品です。私が調べた範囲では、いびきを止めると確証をもって言えるサプリは見当たりませんでした。悪いと言いたいのではなく、効能を約束できる立場の商品ではない、という話です。リラックスして寝つきが変わったと感じる人はいるかもしれませんが、それと、気道が狭くて鳴る音が減ることは、別の現象です。期待する場所を間違えると、また引き出しが一つ増えます。
同じ「のむ」系でも、体質や粘膜の側から時間をかけて整えようとする漢方や東洋医学は、市販薬ともサプリとも少し毛色が違うので、いびきに漢方は効くのかを別枠で整理した記事に位置づけだけ切り出しました。混ぜる前に、そちらで守備範囲を確かめておくと空振りが減ります。

3. 点鼻スプレーと、のどスプレー
スプレーは、噴きかける場所でさらに二つに分かれます。鼻に噴く点鼻スプレーは、鼻の粘膜の腫れを抑えて通りを一時的に楽にするもの。のどに噴くスプレーは、乾いた粘膜を潤したり、引き締めをうたったりするものです。どちらも触れているのは粘膜の状態で、鳴っている場所が鼻の通りや喉の乾きにあるなら入口になりますが、舌や顎の形の問題には届きません。
点鼻については、もう一つ知っておいたほうがよいことがあります。血管を縮めて鼻を通す成分が入った点鼻薬は、続けて使ううちに、かえって鼻が詰まりやすくなることがあるとされています。今夜しのぐ一本のつもりが、毎晩の一本になっていた、という展開が起こりやすい種類です。使うなら期間を区切る、というのが私が自分に課している線です。
「効いた気がする」を、そのまま信じない
薬やスプレーで難しいのは、効いた気がするという感覚が起こりやすいことです。鼻がすっと通る、のどが潤う。その場の体感がはっきりしているぶん、音まで消えたように錯覚します。ここに、私は何度も足をすくわれました。
理屈を分けると、こうなります。スプレーや薬が変えているのは、その夜の粘膜の状態です。狭くなる場所そのもの、たとえば眠って落ちる舌の付け根や、もともと狭い喉の奥は、何も変わっていません。だから、鼻づまりが重なっていた夜には効いたように見え、鼻づまりが軽い夜には何も起きない。同じスプレーで結果がばらつくのは、その夜に何が重なっていたかが違うだけ、ということが起こります。
私のケース:ドラッグストアでスプレーを手に取り、何に効くのか書いていなくて棚に戻した
私は四十五歳、いびきの当事者です。医者でも薬剤師でもないので、診断や薬の使い方の指示はしません。ここに書けるのは、自分が棚の前で何を考えたかだけです。
グッズを二年ほど買い足したあと、次は薬の棚に回りました。いびきと大きく書かれたスプレーを手に取って、裏返して効能の欄を読もうとしたのですが、そこに書いてあるのは、のどのうるおいといった言葉ばかりで、いびきにどう効くのかは書いていませんでした。値段だけ見て買いかけて、一度止まりました。これまで、効くと書いてあるという理由だけで買っては引き出しにしまってきた。同じことを、今度は薬でやろうとしている。そう気づいて、その日は棚に戻しました。
家に帰って、残っていた録音を聞き直しました。私の音は低く長く引きずる音で、鼻がぐずぐず鳴る音ではありませんでした。つまり、私のいびきの主役は鼻ではなかった。それなら、鼻に噴くスプレーを何本買っても、届く先が違います。棚に戻したのは、根気がなかったからではなく、初めて自分の音と棚の商品を照らし合わせたからでした。この照らし合わせを、二年前にやっていれば、と思います。
だから薬やスプレーを試すときも、やることはグッズと同じでした。効いた気がしたら、それが本当にその一本のおかげか、その夜にたまたま鼻が軽かっただけかを、後から分けられるようにしておく。感覚だけを頼りにすると、効いた夜の記憶だけが残って、棚に通い続けることになります。
棚から取る前と、使ったあとにやること
ここは、この記事がいちばん具体的に書けるところです。薬やスプレーを足すときに、私が決めている手順を置いておきます。お金も特別な道具も要りません。棚の前と、枕元でやることです。
手順|スプレー・点鼻を足す前と、足したあと
- 棚から取ったら、箱の表ではなく、効能や効果の欄を先に読みます。そこに書いてあるのが、鼻づまりなのか、のどの乾燥なのか、殺菌なのかを確かめます。いびきという言葉が表に大きくても、効能の欄に何に効くと書いていない、あるいはいびきとしか書いていないものは、何に働くのかが読み取れないので、その日は棚に戻します。
- 買うと決めたら、使う期間を先に区切ります。今夜から数日しのぐための一本なのか、毎晩使うつもりなのかを決めておきます。とくに鼻を通す成分の点鼻は、続けて使うと逆に詰まりやすくなることがあるとされているので、だらだら常用しないと決めておきます。
- 使った夜は、いびきの記録に使った、使わない、の一語だけ足します。長く書きません。二週間もためれば、効いたと感じた夜が、本当にその一本の夜に寄っているのかを、後から並べて見分けられます。
回数の目安:読むのは買う前に一回、記録は使った夜に一語だけ。連用は数日までを上限にして、それを越えないと通らない夜が続くなら、次の節の受診の話に進みます。
注意が二つあります。ひとつ、自己判断で常用したり、量を増やしたりしないこと。とくに飲み薬や点鼻薬は、続け方を間違えると別の不調を呼ぶことがあります。使い方に迷ったら、薬剤師に相談してください。ふたつ、効いた一夜を、効く証拠だと決めないこと。その夜に何が重なっていたかで結果は動きます。一語の記録は、その取り違えを後から正すためのものです。
この一語を足すようになってから、私は薬の棚に通う回数が減りました。効いた気がした夜を並べてみると、鼻がもともと軽かった夜に寄っていて、スプレーの手柄ではなかったと分かる回が多かったからです。
\ 何に効くかを、先に決めておく /
自分の音が鼻寄りなのか、喉や舌の側で鳴っているのか。その見当をつけてから薬やスプレーを選ぶ組み立ては、気道力メソッドにタイプ別でまとめてあります。棚の前で迷う前に、まず自分の音の場所を決めておくと、買う本数が減ります。
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押し切れない夜と、受診の線
最後に、薬やスプレーの外側にある話をします。ここを飛ばすと、順番が逆になります。
まず、物理的なグッズとの合わせ技を考える人も多いと思います。ただ、どのグッズがどのタイプに届くのかという対応は、この記事の担当ではありません。鼻テープ、口テープ、マウスピース、いびき枕といった外から支える道具が、原因のどこに届くのかは、いびき防止グッズの効果をタイプ別に並べた記事にまとめてあります。薬やスプレーで粘膜を整えつつ、形の側はどの道具が合うのか、そちらと合わせて読むと重なりが見えます。
次に、鼻づまりが背景にある人の話です。点鼻スプレーが入口になるのは鼻づまり型ですが、自分がその型なのか、いつ詰まっているのかの見分けは、この記事では抱えません。花粉の時期だけなのか、一年中なのかで手の打ちどころが変わる話は、鼻詰まりいびきを時期で見分ける記事に置いてあります。スプレーを常用する前に、まず自分がいつ詰まっているのかを知っておくと、噴く回数そのものが減ります。

そして、これがこの記事でいちばんはっきり書いておきたいところです。薬やスプレーを足しても押し切れない夜が続くなら、それは自宅でしのぐ段階を越えている合図かもしれません。とくに、次のどれかに当てはまる方は、市販の棚で一本足す前に、医療機関へ相談してください。
- 眠っているあいだに呼吸が止まっていると、家族に指摘されたことがある
- 夜中に息苦しさで目が覚めることがある
- 寝たはずなのに、日中の眠気が強い(会議中や運転中にうとうとする)
- 起きたときの頭痛や、寝ても疲れが抜けない感じが続いている
これらは睡眠時無呼吸症候群のサインとされているものです。スプレーで粘膜を潤しても、呼吸が止まっているなら、届いている場所が違います。どの科へ行けばよいかはいびきは何科を受診するかにまとめました。もう一度書いておきます。私は医者でも薬剤師でもありません。薬の使い方も、受診すべきかどうかの最終判断も、私の側では決められません。ここで書けるのは、棚の前でどう考えたか、という記録までです。
薬やスプレーは、その夜の粘膜を整えるところまでは手伝ってくれます。でも、眠って落ちる舌や、狭い喉の奥そのものは、噴いても飲んでも形は変わりません。そこを変えていくのは、外からではなく内側からの積み重ねだと、私は自分の経過から思っています。良い日も悪い日もそのまま残している記録は、記録カテゴリで追えます。
