いびき音の種類と原因|ガーガー・ピーで分かる見分け方

家族から「音が前と変わった」と言われて、気になって検索された方かもしれません。
いびきの音は、気道のどこが狭くなって、どの組織が震えているかで変わります。だから音のパターンを聞き分ければ、自分の音がどこで鳴っているのか見当がつきます。この記事では、音の種類ごとの見立てと、録音で聞き分ける手順をまとめました。
いびき音は「どこかが震えている音」

いびきの音は、気持ちや癖の問題ではなく、のどのどこかが物理的に震えている音です。眠ると口やのどを支える筋肉がゆるみ、空気の通り道が部分的に狭くなります。狭いところを空気が急いで通ると流れが乱れ、まわりのやわらかい粘膜が細かく振動します。その振動が、あの音の正体です。
笛やリコーダーと同じ理屈です。管の太さ、形、空気の速さが変われば、出る音の高さも質も変わります。つまり音の違いは、気道のどこが鳴っているかの違いだということです。ここが分かると、音を聞くことがそのまま自分の原因さがしになります。
大きな音を出しやすいのは軟口蓋のあたり
口の天井をたどっていくと、途中から固い部分がなくなって、やわらかい部分に変わります。その奥がいわゆる軟口蓋で、下にぶら下がっているのが口蓋垂(のどちんこ)です。いびきをかく人の音のうち、大きくなりやすいのはこの軟口蓋が前後にはためく音だとされています。私が調べた範囲では、鼻の奥からのど、舌の付け根まで、震える場所は一か所とはかぎらず、複数が同時に鳴っていることも珍しくないようです。
今すぐできる:震源を自分の目で見ておく
洗面所の鏡の前で、口を大きく開けて「アー」と声を出してみてください。奥に垂れ下がった小さなひだと、その奥の壁が見えます。そこが、あなたのいびき音の震源です。形を見ておくと、この先の話が体で分かるようになります。
ついでにもう一つ。舌先を下の前歯の裏に貼りつけたまま、「ング」「アー」とゆっくり交互に言ってみてください。「ング」で舌の奥が持ち上がってのどが塞がり、「アー」で下りて奥に丸い空間ができます。塞がったときは音がこもり、開いたときは息がすっと通る。この差が、そのまま夜の音の差になります。夜のあいだに起きているのは、これに近い動きです。
音のパターン別の見立て
ここからが本題です。音の聞こえ方で、どこが鳴っているかの見当をつけます。私は自分のいびきをこのサイトの造語で呼んでいるので、この記事でもその名前で通します。ただしタイプそのものの細かい見分け方は、この記事では扱いません。当てはまるものをチェックしていく形式のタイプ診断にまとめてあるので、判定はそちらでしてください。ここでは音だけに絞ります。
| 聞こえ方 | 鳴っていそうな場所 | 音からの見立て |
|---|---|---|
| 低くガーガー、ゴーゴーと響く | のどの奥 | 舌の付け根や喉のまわりが主役 |
| 鼻にかかった、詰まったズーズー音 | 鼻の奥 | 鼻の通り道が主役 |
| ピーピー、ヒューヒューという高い笛音 | 鼻の奥、または胸のほう | 鳴っている場所の確認が先 |
| 口を閉じていても鳴る | 鼻の通り道 | 鼻の通り道が主役 |
| 細かく速く震える、ばたつく音 | 口の天井の奥 | 軟口蓋のあたりが主役 |
| 静か → 突然ガッと再開 | 気道全体 | 受診の目安(次章) |
低くガーガー響く音
いちばん多い音です。太くて低く、部屋の壁に響くような音。眠っているあいだに舌の付け根がのどの奥へ落ちて気道を狭め、その手前の粘膜が大きく振動して鳴ると考えられています。仰向けのときにひどくなりやすく、横向きにすると軽くなるなら、この線がかなり濃いです。壁越しに隣の部屋まで届くのも、たいていこの低い音のほうです。

その場でできる確認:背筋を伸ばして座り、口から大きく息を吸って吐きます。次に、舌をわざとのどの奥へ押し込みながら、もう一度吸ってみてください。自分で気道を狭めているので、いびきに近い低い音が出ます。この音に聞き覚えがあるなら、あなたの夜の主役もこのあたりだと考えていいと思います。自分では判断がつかないときは、家族に「いつもの音はこれ?」と聞いてみるのが早いです。
鼻にかかった詰まった音
ズーズー、フガフガと、鼻の奥で空気が引っかかっているような音。鼻の粘膜が腫れていたり、分泌物で通り道が狭くなっていると出ます。手がかりは三つあります。口を閉じて寝ていても鳴る/人から鼻声だと言われる/軽い風邪でもすぐ鼻がつまる。とくに一つ目は分かりやすいです。口が閉じているのに音が鳴っているなら、震えているのは口の奥ではなく鼻側だと考えられます。
その場でできる確認:座って、口から大きく吸って吐く。次に鼻から大きく吸う。口のほうが明らかに楽なら、鼻の通りが音に関わっている可能性が高いです。左右の鼻を片方ずつ押さえて、通りに差があるかも見ておくと、あとで録音を聞くときの参考になります。
ピーピーと高い笛の音は、場所の確認から
高くて細い笛のような音は、鼻の奥が乾いて狭くなっているときにも出ます。ただし同じような音が、のどより下(気管や気管支のあたり)から出ることもあります。ヒューヒュー、ゼーゼーが胸のあたりから聞こえる、日中や横になったときにも出る、息苦しさを伴う。こうした場合は、いびきの話ではなくなります。喉で鳴る音と胸で鳴る音は出どころが別なので、起きているうちにどちらか見当をつける手がかりを喉か胸か、音の出どころの見分け方に四つ並べてあります。私は医者ではないので判断はしません。心当たりがあれば、呼吸器内科で診てもらってください。
音は一晩のなかでも入れ替わります
もう一つ知っておいてほしいのは、音は固定ではないということです。寝入りばなは静かなのに夜中だけ低く鳴る、明け方だけ鼻にかかる。こういう入れ替わりはよく起こります。姿勢が仰向けに戻った、お酒を飲んで筋肉がいつもよりゆるんだ、その日だけ鼻がつまっていた。条件が変われば、主役の座も移ります。この入れ替わりは年単位でも起きていて、40代に入ってから低く長い音のほうへ寄ってきたなら、40代で音が変わるのは年齢のせいなのかで内訳を3つに分けています。
だから一晩の一部分だけを聞いて決めないほうがいいです。何晩か聞いていちばん頻繁に出てくる音を主役と考える。これが、いまのところ私がいちばん外しにくいと感じているやり方です。
なお、音そのものに特徴が出にくいものもあります。朝起きたときの口の渇きや、噛みしめの跡といった形で出るものです。そのあたりの見分けは音の話から外れるので、タイプ診断のチェック項目に任せてください。
私のケース:音を読み違えて、二年ぶん無駄にした話
私は長いこと、自分は鼻づまりが原因だと思い込んでいました。花粉症持ちで、朝は鼻がつまる。だから鼻腔拡張テープを箱買いし、点鼻薬を枕元に常備し、それでも鳴るので鼻に入れるチューブまで試しました。どれも数日は「効いた気」がして、一週間で元に戻る。その繰り返しでした。
変わったのは、録音を聞いた日です。私の音は、鼻にかかった詰まった音ではありませんでした。低く太く、寝返りを打った直後にいちばん大きくなる音。つまり主役は喉と舌のほうだったのです。鼻テープは私にとって的外れではないものの、主犯ではなかった。音を確かめる前に道具を買ったのが、いちばんもったいなかったところです。
\ 音の見当がついたら /
低い音なのか、鼻にかかった音なのか。見当がついたら、次はそれをどの順で手当てするかです。私が142点のあとに組み直した順番は気道力メソッドにまとめています。
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止まって、突然大きな音で再開する音

ここだけは、セルフケアの話から離れます。
大きないびきをかいていた人が、急に静かになる。しばらく何の音もしない。そのあと、むせるように「ガッ」「フガッ」「カカッ」と大きな音を立てて呼吸が戻る。このいびきが止まって無音が続き、そのあと大きく吸い直すパターンは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)に典型的な音とされています。静かな時間は、休んでいる時間ではありません。
次のどれかに当てはまるなら、エクササイズより先に医療機関へ行ってください。
- 睡眠中に「いびきが止まっていた」「呼吸が止まっている」と指摘されたことがある
- 夜中に息苦しさで目が覚めることがある
- しっかり寝たはずなのに、日中の眠気が強い(会議中や運転中にうとうとする)
- 起床時の頭痛、起きても疲れが取れない感じが続いている
- 高血圧や糖尿病、不整脈を指摘されている
行き先は呼吸器内科、耳鼻咽喉科、睡眠外来です。録音データがあれば持って行ってください。私は医者ではないので、治療の話はしません。ただ、ここを飛ばして自宅トレの話をするのは違うと思っているので、先に書きました。
逆に言えば、止まらずに一定のリズムで鳴っているだけのいびきなら、まず自分の音の種類を確かめるところから始められます。
自分の音を録音して聞き分ける手順
音で見立てると言っても、自分の音を聞いたことがなければ始まりません。家族の証言はありがたいのですが、「うるさかった」以上の情報はなかなか出てきません。スマホ一台で解決します。追加の出費が要るのかは気になるところですが、私は今も無料の範囲だけで測っていて、その線引きは無料アプリでどこまで測れるかにまとめました。

私のケース:はじめて自分の音を聞いた朝と、142点
妻から別室で寝ることを切り出されかけたのが、録音を始めたきっかけでした。翌朝、アプリの再生ボタンを押すのに、ずいぶん時間がかかったのを覚えています。人の悪口を盗み聞きするような、いやな気分でした。
実際に流れてきたのは、人間の呼吸というより、家具を引きずっているような音でした。しかも自分の記憶では「たまにかく」程度だったのに、音は一晩を通してほぼ途切れずに続いていました。そのときのいびきスコアは142点。何点が良くて何点が悪いのかも分からないまま、とりあえず数字だけメモしました。ここからベースラインを取り始めた、というのが正直なところです。ショックではありましたが、あの朝からようやく、いびきが自分の課題になりました。それまでは家族の苦情でしかなかったのです。
録音のルール(ここを揃えないと比べられません)
- 置き場所を毎晩同じに。枕元の同じ位置、同じ距離。マイクを顔のほうに向け、充電しながらにしておくと途中で切れません。距離が変わると音の大きさも変わるので、そこだけは動かさないでください。
- まず何もしない状態で数晩。これが自分の出発点になります。あとから変化を確かめられるのは、始める前の記録があるときだけです。
- その日の条件をメモする。お酒を飲んだ日、ひどく疲れた日、鼻がつまっていた日。あとで数字が跳ねた理由が分かります。
- 単日で一喜一憂しない。いびきは日によって大きく揺れます。私が見ているのは7日ごとの平均です。
全部聞かなくていい。聞くのは3か所
一晩ぶんを再生すると心が折れます。私は次の3か所だけ聞くようにしています。
- 寝入りばなの30分:その日いちばん素直な音が出ます。姿勢もまだ崩れていません。
- 夜中(深く眠っている時間帯):筋肉がいちばんゆるむので、音も最大になりやすい時間です。
- 明け方:鼻の状態が出やすく、鼻側が主役かどうかの判断材料になります。
聞くときのコツは、音の大きさではなく、音の質と途切れ方に注目することです。低く太いのか、鼻にかかっているのか、細かく震えているのか。そして、規則正しく続いているのか、ふっつり途切れて大きな音で戻っているのか。前章のサインが混じっていないかは、ここで確かめておいてください。
ちなみにアプリは、寝返りの衣ずれや外を通る車の音まで拾います。数字が跳ねた日は、まず音を聞いて中身を確認してください。私も何度か、エアコンの音に驚かされました。同じ部屋で誰かが寝ていると、その人の寝息まで一本に入るので、自分の音と相手の音が混ざって分からないときは、録音に混ざる二人ぶんの音の分け方で切り分けてから種類の聞き分けに進むと、以下の見立てが効きやすくなります。
音で分かること、分からないこと

ここまで音から見立てる方法を書いてきましたが、最後に正直なところを書いておきます。
音だけで原因は断定できません。理由は単純で、いびきの原因はたいてい一つではないからです。鼻がつまって口呼吸になり、口が開いて舌が落ち、のども狭くなる。こういう重なり方はごく普通に起こります。実際、私の録音にも低い音と鼻にかかった音が両方入っていました。
それでも音を聞く価値はあります。主役が誰なのかが分かるからです。主役が分かれば、何から手をつけるかが決まります。私が二年間、鼻のグッズを買い続けて空回りしたのは、主役を取り違えていたからでした。
次にやること
- 録音を数晩ぶん取って、出発点の数字を控える
- 音の質をメモして、当てはまる項目を全部拾い出す(タイプ診断)
- そこに効く動きを、一日3分ぶんだけ決めて始める
三つ目が、いちばんつまずくところです。低い音にはこれ、鼻の音にはこれ、と個別の動きは分かっても、二つも三つも重なっている人がどれをどの順でやるのかは、音を聞いただけでは決まりません。私はここで一度、あれもこれもと欲張って一週間で投げ出しています。
重なりの組み合わせと、一日3分から積み上げていく順番は、気道力メソッドとして別にまとめました。私自身が142点からどう動いたかは記録のほうに、正直な数字のまま置いています。上がった週もそのまま載せてあります。
いびきは何年もかけて身についた癖です。数字が動くまでに時間がかかっても、それ自体は珍しいことではありません。今夜、枕元にスマホを置くところからで十分です。
