ホーム原因診断鼻の構造といびき|鼻中隔わん曲など、季節で動かない詰まり

鼻の構造といびき|鼻中隔わん曲など、季節で動かない詰まり

鼻の構造といびき|鼻中隔わん曲など、季節で動かない詰まり

片方の鼻だけ、昔からなんとなく通りが悪い。私はそれを自分の当たり前だと思い込んで、四十五年生きてきました。

鼻詰まりいびきには、季節で来て季節で引く波のあるものと、季節に関係なくずっと居座る、鼻の形そのものに理由があるものがあります。この記事は後者、構造の側だけを扱います。

この記事の目次
  1. 「構造」とは、時期で消えない詰まりのこと
  2. 鼻の形が狭くなる、主な構造の原因
  3. 構造かどうかを自分で見当づける(3日の観察手順)
  4. ここから先は耳鼻科の領域という線引き
  5. 私が、片方の鼻を当たり前だと思っていた話

「構造」とは、時期で消えない詰まりのこと

先に言葉を置いておきます。いびきは、眠っているあいだに空気の通り道が狭くなり、その狭い場所で粘膜が震えて鳴る音だとされています。鼻はその通り道の入口で、ここが細ければ、口を閉じていても音は出ます。

断面図:吸気で軟口蓋が上がり気道が開く
空気の通り道は鼻から喉まで一本につながっています。入口の鼻が細いと、その先まで影響します。

ただ、同じ鼻詰まりでも、私は二年ぶんの記録を並べてやっと、二種類あることに気づきました。ひとつは波のある詰まりです。花粉の季節だけ、風邪の週だけ、体調で腫れが動く。もうひとつが、この記事で扱う波のない詰まりです。季節にも風邪にも関係なく、いつ測っても同じ側が同じように細い。前者の時期の読み方は鼻詰まりいびきを時期で見分ける記事にまとめたので、この記事では引き受けません。ここで扱うのは、鼻の形そのものに理由がある側だけです。

波のあるなしが、なぜそんなに大事なのか。腫れは引けば通ります。加湿や季節が変われば、詰まりも動きます。けれど、鼻の中の骨や壁が曲がっているような形の狭さは、寝ても起きても、春でも冬でも、同じ場所に居座ります。動く相手なら生活の工夫で押せますが、動かない相手を道具で押し続けても、手応えは薄いままです。私が二年、鼻に貼るテープを買い続けて空振りしたのは、動かない側を動く相手だと思い込んでいたからでした。

もう少し具体的に言います。動く相手と動かない相手では、効いたかどうかの読み方まで変わります。動く相手は、手を打った週にたまたま季節が過ぎただけでも静かになり、効いた気にさせます。動かない相手は、何を足しても土台の細さが残るので、うまくいった夜が続きません。私が道具を次々に買い替えたのは、この続かなさを道具のせいだと思い込んで、次のひとつに期待をかけ直していたからでした。相手が動かないなら、次に替えるのは道具ではなく、確かめに行く先のほうです。

妻
片方の鼻がつまりやすいのは、みんなそうじゃないんですか。
静山静山
私もずっとそう思っていました。ただ、いつ測っても決まって同じ側だけ細いなら、それは体調の波ではなく、形の話かもしれません。そこを見分けるのが、この記事の目的です。

鼻の形が狭くなる、主な構造の原因

鼻の通り道を、形として狭くする背景にはいくつかの種類があります。私が調べた範囲で、耳鼻咽喉科の解説ページによく出てきたものを並べます。ここは名前を覚える章ではなく、どれも季節では動かないという共通点を持つ、という一点だけ持ち帰ってもらえれば十分です。

横顔の鼻を接写した男性
形の狭さは、外からは分かりません。本人にも、当たり前になって見えなくなります。

鼻中隔わん曲

鼻の中を左右に分ける壁を鼻中隔といい、これが左右どちらかに曲がっている状態です。程度の差はあれ多くの人にあるとされていますが、曲がりが強いと片側の道が慢性的に細くなります。いつも同じ側だけ通りが悪いという感覚の、代表的な背景です。

下鼻甲介の肥大

鼻の中には空気を温めたり湿らせたりするひだ状の出っぱりがあり、これが慢性的に厚くなって道を塞ぐことがあります。アレルギーが長く続いた結果として厚みが残る場合もあるとされていて、季節の腫れとは別に、土台として細さが居残ります。

鼻の入口が狭い(鼻弁のあたり)

小鼻のすぐ内側の、いちばん細い関所にあたる部分です。ここがもともと狭い、あるいは呼吸のたびにへこんで塞がりやすい形だと、吸う勢いで余計に細くなります。鼻に貼る拡張テープが人によって効いたり効かなかったりするのは、この関所の形に当たっているかどうかの差が大きいと私は見ています。

鼻茸(鼻ポリープ)や、生まれつきの形

鼻の粘膜にできるやわらかいふくらみや、鼻の骨と軟骨のもともとの形も、道の広さを左右します。これらは生活習慣で足したり引いたりできる種類のものではありません。

ここで一つ、混同しやすい点を分けておきます。花粉やハウスダストで粘膜が腫れて細くなるのも、確かに詰まりです。ただそれは腫れが引けば戻る動く詰まりで、この記事の相手ではありません。同じ場所が細くなっていても、腫れなのか形なのかで、その後の打ち手はまるで変わります。腫れなら生活で押せますが、形は押せない。だからこそ、次の章で腫れと形を自分で見分ける下ごしらえをします。

妻
あなた、昔から片方の鼻でしか吸えてない感じだよね。
静山静山
家族のほうが先に気づいていることがあります。本人は生まれたときからその鼻なので、狭いこと自体に慣れてしまって、比べる相手を持っていないんです。

並べてみて分かるのは、どれも自分で形を変えられないということです。だからこの章の目的は、対策を配ることではありません。自分の詰まりが、この動かない側にありそうかどうかを、次の章で見当づけるための下地です。

構造かどうかを自分で見当づける(3日の観察手順)

形の狭さを疑う手がかりは、意外なところにあります。詰まる側が入れ替わるかどうかです。健康な鼻でも、左右の通りは数時間ごとに交代しているとされています。鼻サイクルと呼ばれる働きで、いま右が詰まっていても、しばらくすると左に移る。だから今この瞬間どちらが詰まっているかを一回だけ調べても、形の話は分かりません。見るのは、交代しているのか、それとも片側が固定されたままなのか、のほうです。

そこで私が教材の記録に足したのが、片側固定を確かめる観察です。道具も費用もかかりません。

手順|片側が固定されているかの3日観察

  1. 1日3回、時間を分けて確かめます。朝起きたとき、昼のどこか、寝る前の3回です。片方の小鼻を軽く押さえ、反対側だけでゆっくり吸って、通りやすさを○△×の三段階でメモします。左右それぞれ記します。
  2. これを3日ぶん続けます。1回あたり十数秒、1日でも合計1分ほどです。
  3. 3日たったら、左右の記録を縦に並べます。見るのは一点だけ。×がいつも同じ側に固定されているかです。

読み方はこうしています。時間や日によって詰まる側が入れ替わっているなら、鼻サイクルが動いている、つまり形より体調や粘膜の腫れの側の話です。逆に、朝も昼も寝る前も、3日を通して決まって同じ側だけが×のままなら、その固定こそ形の狭さを疑う材料になります。私の場合は、右がほぼ動かず×で埋まりました。

注意が三つあります。ひとつ、1回や1日で決めないこと。鼻サイクルは数時間で動くので、一晩や一度の計測では固定かどうか見えません。ふたつ、お酒を飲んだ日、疲れ切った日、花粉など季節の詰まりが出ている時期は、印を付けて別扱いにすること。それらは形と関係なく通りを塞ぐので、記録が濁ります。みっつ、これは形の見当をつける観察であって、診断ではありません。曲がりの有無や程度は、鼻の中を見なければ分かりません。

仰向けで口を開けて眠る日本人男性
片側が固定で塞がっていると、足りない分を口から吸い、こうなりやすくなります。

なお、鼻が原因なのか、鼻は通っているのに喉の奥のひだが鳴っているのか、という場所そのものの切り分けと、座った姿勢と仰向けで左右差を比べる基本のテストは、口を閉じてるのにいびきが鳴る記事に手順を置いてあります。この記事の観察は、鼻寄りだと当たりがついた人が、その詰まりが形の側か体調の側かをもう一段見分けるためのものです。

妻
同じ側ばかり詰まっていました。これ、もう構造で確定ですか。
静山静山
確定ではありません。固定は形を疑う強い材料ですが、決めるのは鼻の中を見てからです。あくまで、次に何をするかを選ぶための見当づけだと思ってください。

ここから先は耳鼻科の領域という線引き

3日の観察で片側の固定が見えたとして、その先には私が踏み込めない領域があります。私は医者ではありません。いびきの当事者であって、医療者ではないので、治療の話はしません。鼻中隔の曲がりや甲介の厚みは、鼻の中を実際に見て、必要なら画像で確かめて判断する領域です。それができるのは耳鼻咽喉科だけです。

形が原因だと分かったときにいいのは、迷う相手が減ることだと私は思っています。動く相手なら、加湿や季節や生活で押せる余地があります。動かない形が土台にあるなら、そこは見てもらう窓口がはっきりしている。鼻の中を左右に分ける壁の曲がりや、長びく炎症、鼻茸などに心当たりがあるなら、自宅で道具を足し続ける前に、一度診てもらうほうが結局は近道になります。私が二年ぶん空振りしたのは、この窓口に行かず、棚の前で選び続けたからでした。

もうひとつ、形の話とは別に、はっきり線を引いておきたいことがあります。眠っているあいだに呼吸が止まっていると家族に指摘されたことがある、あるいは日中の眠気が強くて会議中や運転中に意識が落ちそうになる。このどちらかがあるなら、鼻の形を数える前に、医療機関へ相談してください。これらは睡眠時無呼吸症候群のサインとされていて、自宅の工夫で様子を見る種類の話ではありません。どこへ行けばよいかはいびきは何科を受診するかにまとめました。鼻の詰まりが強い人は、耳鼻咽喉科がそのまま入口になることも多いです。

補足しておくと、形が原因でも、それがそのまま重い病気という意味ではありません。鼻中隔の曲がりは程度の差はあれ多くの人にあるとされていて、狭さがどれくらい生活や睡眠に響いているかで、見てもらう意味の重さは変わります。だから私は、片側の固定が見えたことを、不安の材料ではなく、行き先が一つに定まった目印として受け取りました。棚の前で迷い続けるより、確かめる先が決まっているほうが、気持ちとしても楽でした。

妻
形が原因なら、家でやることはもう無いってことですか。
静山静山
そうとも限りません。形は土台で、その上に体調や姿勢や飲酒が重なって音になります。土台は見てもらいつつ、重なっている側を家で減らす、という両輪です。ただ順番として、固定が見えたなら一度は見てもらう側に倒すのを勧めます。

\ 形か、重なりか、を見分けたら /

動かない形と、その上に重なる動かせる要因を、どの順番で扱うかは気道力メソッドに組み立てとして置いてあります。今日はまず、片側が固定かどうかを3日ぶん見るところからで十分です。

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私が、片方の鼻を当たり前だと思っていた話

静山 静山の実体験

私のケース:昔から片方の鼻だけ通りが悪く、それを当たり前だと思って生きてきた

私は四十五歳、いびきの当事者です。医者ではないので、診断や治療の話はしません。ここに書けるのは、自分が何を長く見落としていたかだけです。

子どものころから、私は右の鼻でうまく吸えませんでした。かぜでもないのに、右だけ空気が細い。でもそれが私にとっての普通で、比べる相手がいないので、狭いという自覚すらありませんでした。鼻をかむのも、深呼吸をするのも、無意識に左を使っていた。四十を過ぎるまで、それを一度も疑わなかったのです。

妻から「今日は下で寝るね」と言われた夜の翌日、初めて計測アプリを枕元に置きました。朝に出たのが142点で、録音には低く長く引きずる音がずっと入っていました。そこから私は道具を買い足す日々に入ります。鼻に貼る拡張テープを、私はいちばん多く買いました。ところが、貼っても手応えのある夜とない夜がまちまちで、理由が分からなかった。

あとから片側の通りを3日ぶん記録して、ようやく腑に落ちました。私の右は、朝も昼も寝る前も、ほとんど動かず詰まったままだったのです。左右が入れ替わる気配がない。動かない側に、外から貼るテープで手応えが安定しなかったのは、考えてみれば当然でした。私はずっと、体調の波を相手にする道具で、形の固定を押そうとしていたわけです。テープが悪かったのではなく、相手を取り違えていた。

枕元に置いたスマートフォン
片側の通りも、いびきの音も、測って並べるまでは自分の当たり前に埋もれています。

形が土台にあると分かっても、家でできることが消えるわけではありません。鼻の通りを寝る前に一段ならす手や、姿勢や、のどと舌の力は、土台の上に重なる動かせる側です。むしろ形という土台が最初から狭い人ほど、その上に飲酒や体重といった札をこれ以上乗せない価値が大きいので、悪化させない側の考え方だけはいびきの予防の記事に切り出してあります。ただ、それらの手順まで私がこの記事で抱え込むと、また相手を取り違えます。ここでの結論は一つだけです。いつも同じ側だけ詰まっているなら、それは体調の波ではなく形かもしれない。だとしたら、道具の棚より先に、見てもらう窓口がある。

付け加えると、片側が固定だと分かった人でも、記録は捨てないでください。受診したときに、いつからどちら側が詰まっているかを言葉で説明できると、話が早くなります。私は3日ぶんの○△×を、そのまま持っていくつもりで残しています。自分の感覚だけで話すより、並べた記録があるほうが、伝わり方が具体的になるからです。

妻
自分も、思い返せば昔からずっと同じ側でした。
静山静山
それなら、まず3日だけ左右を記録してみてください。固定が見えたら、棚に通う前に耳鼻咽喉科です。私は逆をやって二年使いました。同じ回り道をしないでほしいと思っています。

最後にもう一度だけ。呼吸が止まっていると指摘されたか、日中の強い眠気があるなら、形を数えるより先に受診してください。それが無く、片側の固定が気になるだけなら、今夜から3日、左右の通りを○△×で残すところからです。

\ 受診を先に。そのうえで、家で重ねること /

片側が固定で詰まっているなら、まず耳鼻咽喉科で診てもらうのが先です。見てもらったうえで、土台の上に重ねる動かせる側の手順を整理したい方は、気道力メソッドも使えます。押し込む道具ではなく、順番を決める地図として置いてあります。

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この記事を書いた人

静山

静山 |いびきスコア142点からの30日再現実験・進行中

静山(しずやま)/40代。長年の爆音いびきで家族に別室を言い渡されかけた当事者。いびきラボのスコア(開始時142点)を毎晩記録し、舌・喉・顎・呼吸の自宅トレ『気道力メソッド』で下げていく過程をすべて公開している。医者ではないので治療の話はしない。自宅でできることだけを、実測の記録つきで書く。

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