いびきアプリ比較|無料でどこまで測れるかを5つの軸で

いびきのアプリは数が多くて、どれも同じことが書いてあるように見えます。私も選ぶだけで一週間かけました。
先に決めるのは、アプリではなく比べる軸のほうです。無料でどこまで、録音は残るか、数字はどう出るか、自分の端末で動くか、何晩ぶん残るか。この5つで見ると候補はすぐ減ります。
この記事の目次
いびきアプリを比べる前に、軸を5つ決める
いびきのアプリがやっていることは、実はどれも似ています。枕元のマイクで一晩ぶんの音を拾う。あらかじめ決めたしきい値を超えた区間を、いびきらしい音として拾い上げる。翌朝それを時間の順に並べ直して見せる。おおまかにはこの3段階です。差がつくのは、しきい値の置き方と、拾った区間をどう見せるかのほうです。

だから比べるときに見るべきなのは、機能の数ではありません。自分が毎朝見たい情報が、無料の範囲でちゃんと出てくるかどうかだけです。私が候補を絞るときに使った軸は、次の5つでした。この5つで見ると、いくつも並んでいた候補が、わりと簡単に2つまで減ります。
- 無料でどこまでできるか/測れるだけなのか、翌朝の数字まで見られるのか、音まで聞けるのか。同じ無料でも、止まる場所がアプリごとに違います
- 録音が残るか/音を検知することと、あとからその音を聞けることは、別の機能として分かれている場合があります
- 数字の出方/独自のスコアが1つ出るのか、いびきの時間と音量が別々に並ぶのか、そもそも点数という形にならないのか
- iOSとAndroidのどちらにあるか/片方にしか出ていないアプリがあります。家族で同じものを使いたいときは、ここでほぼ決まります
- 何晩ぶん残るか/30日続ける前提だと、過去をどこまで遡れるかが後から効いてきます
もうひとつ、先に線を引いておきます。この種のアプリが測っているのは音であって、呼吸そのものではありません。寝言も、寝返りの衣ずれも、エアコンの風も、条件が揃えば同じように数字に乗ってきます。そして私は医者ではありません。診断や治療の話はできませんし、しません。この記事で書けるのは、音を記録する道具としてどれを選ぶか、という範囲だけです。
逆に言うと、その範囲でならはっきり書けることがあります。どのアプリが正確かは私には判定できませんが、どのアプリなら自分が30日続けられるかは、実際に走らせてみれば分かります。この記事は、その絞り込みの手順の話です。
同じ夜に3つ走らせて、数字がそろわなかった
軸の話をする前に、私がやらかした遠回りを先に置いておきます。同じ失敗をする人が多い気がするからです。
私のケース:同じ夜に3つ走らせて、数字がそろわなかった
自分の出発点として142点という数字を手にしたあと、最初にやったのはアプリの入れ替えでした。もっと正確なものがあるのではないか、この数字は大げさなのではないか、という気持ちが残っていたからです。
そこで候補を3つ入れて、同じ夜に3つとも同時に走らせました。3つ並べれば、どれが本当の数字なのか分かるだろうと思ったのです。翌朝の結果はひどいものでした。1つは途中で計測が止まっていて、1つは朝まで動いてはいるのに音をほとんど拾えておらず、最後まできちんと記録できていたのは1つだけ。しかも3つの画面に出ている数字は、単位も桁も揃っていません。片方は点数、片方は分数、片方は割合。並べたところで、どれとどれを比べればいいのかすら分からない。
枕元でスマホを持ったまま、しばらく途方に暮れました。そのとき理解したのは、同じ夜に何本も走らせるという方法自体が成立しないということです。マイクは端末に1つしかありません。画面が消えたあとも動き続けられるかどうかも、アプリごとに違います。正確さを比べるつもりで、私は比べようのない条件を自分で作っていました。
この夜から持ち帰った結論は、2つだけです。
1. アプリ同士の数字は、横に並べて比べられない
スコアの計算式は、どのアプリも中身を公開していません。何デシベルからをいびきとみなすか、どのくらい続いたら1区間として数えるか、その線の引き方が違えば、同じ夜の同じ音から違う数字が出るのは当たり前です。単位が同じに見えても、意味が同じとは限りません。
この点はアプリ同士だけの話ではなく、端末を変えたときにも起きます。マイクの感度が違えば拾える音量が変わり、拾える音量が変われば数字も動きます。だから他人の点数と自分の点数を比べても、正直あまり意味がありません。

2. だから選ぶ基準は、正確さではなく続けやすさになる
正確さで選べないとなると、残る基準はひとつです。30日、毎晩それを開けるか。寝る前の操作が長い、朝に自分の数字がどこにあるか分からない、広告の閉じ方が分かりにくい。この3つのどれかに当たると、私の場合はだいたい1週間持ちませんでした。
5つの軸で、主要アプリはどこが違うのか
ここからが本題です。よく名前の挙がるアプリを、さきほどの5つの軸で並べます。仕様は時期によって変わる部分があるので、私が確認できたことと、私が調べた範囲でそう説明されていること、を分けて書きます。最新の内容は、ストアの説明とアプリ内の表示でご自身で確かめてください。
| アプリ | 対応OS | 録音 | 数字の出方 | メモ |
|---|---|---|---|---|
| いびきラボ(SnoreLab) | iOS・Android | 音量の大きかった場面を抜き出した音が残る | いびきスコアという独自の数字が1つ | 私が使っているのはこれです。無料のまま毎晩測って翌朝スコアを見るところまでは回っています |
| 熟睡アラーム | iOS・Android | 録音機能あり(音声の再生は有料オプションとされています) | いびきの時間・音量・割合が、睡眠の記録と並んで出る | 国産のアプリです。1つの点数に圧縮されないぶん、内訳を自分で読みたい人向き |
| Sleep Cycle | iOS・Android | いびきの録音と分析は、詳しいレポート側の機能とされています | 睡眠の質のグラフが主役 | 眠りの浅いところで起こすアラームが中心の設計です |
| Sleep Meister | iPhoneのみ | 寝言やいびきの録音 | 体の動きをもとにした睡眠グラフ。いびき専用の総合点という形にはならない | 長く使われている定番です。記録の書き出しに対応しているとされています |
| Sleep as Android | Androidのみ | いびきの録音 | 睡眠のグラフ | Androidだけの選択肢として名前が挙がります |
表を眺めて気づくのは、いびきを主役にしているアプリと、睡眠全体の中の一機能としていびきを扱っているアプリが混ざっているということです。ここが最初の分かれ道になります。朝スッキリ起きたいのか、自分のいびきの量を追いたいのか。目的が違えば、正解も変わります。
取り違えに注意したい点がひとつ
ストアで検索すると、名前がよく似た別の開発元のアプリがいくつも並びます。同じ名前に見えて中身も料金も別物、ということが起きます。私は開発元の表記とレビュー件数を見て確かめるようにしています。ここを外すと、比較の前提から崩れます。
軸ごとに、引っかかりやすいところ
無料でどこまで、の形は1種類ではありません。機能で切ってあるもの、期間で切ってあるもの、広告で成り立っているもの。同じ無料でも、止まる場所が違います。私の使い方でいえば、翌朝に自分の数字が見られるところまで無料で届けば十分でした。
録音は、残ることと聞けることが別です。音を検知して回数や時間に反映するところまでは無料で、その音声を再生するのは有料、という切り分けをしているアプリがあります。自分の音を一度は聞いておきたいなら、ここは事前に見ておく軸です。
スコアはアプリ間で互換がありません。点数が出るアプリと出ないアプリがあり、出るアプリ同士でも計算が違います。乗り換えた時点で、それまでの数字とはつながらなくなります。
OSは、対応の有無だけでなく動き方も見ます。iPhoneにしかない、Androidにしかない、というアプリが実際にあります。加えて、画面が消えたあとも計測が続くかどうかは、最初の1晩で確かめておきたいところです。
何晩ぶん残るかは、始めてすぐには気づけません。私が調べた範囲では、無料のままだと過去を一定の範囲までしか遡れないアプリもあります。数晩ためてから一覧画面がどこまで戻れるかを見るのが、いちばん早い確認方法です。
\ 道具が決まったら、中身の話です /
アプリはあくまで物差しで、いびきそのものを動かす道具ではありません。物差しを持ったあと、家で何をどの順番で積むかは気道力メソッドにまとめています。先に中身を見てから決めても遅くありません。
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3晩で1つに決める手順
比較表を眺めているだけでは決まりません。私も一週間、比較記事を読んでは閉じるということを繰り返していました。決め手になったのは、3晩で終わらせると決めたことです。気道力メソッドの記録編でも、記録を始める前に道具を1つに決めておく、という順番を置いています。ここでは私が実際にやった形をそのまま書きます。

3晩で1つに決める手順
- 候補を2つに絞ります。3つ以上入れないこと。前の章に書いたとおり、同じ夜に並走させても比べられないので、候補が多いほど日数だけが増えます。絞るときは、対応OSと、録音を聞けるかどうかの2軸だけで機械的に落として構いません。
- 1晩目は、候補Aだけを走らせます。寝る前に、開始するまでに何回タップしたかを数えておいてください。私の基準は3タップ以内です。ここが長いアプリは、眠い夜に飛ばすようになります。
- 朝、結果が出るまでのタップ数も数えます。アプリを開いて、昨夜の数字が目に入るまで。ここも3タップ以内が目安です。探さないと見つからない画面は、続きません。
- 2晩目は、候補Bだけを同じやり方で走らせます。寝る前と朝のタップ数を、同じように数えます。条件をそろえたいので、飲酒の予定がある夜は避けてください。
- 3晩目は、タップ数の少なかったほうをもう一晩だけ走らせます。見るのは点数ではありません。朝の画面に昨夜の数字と音と過去の一覧の3つが揃って出るかどうか、それだけを確認します。
- 決めたら、残った候補は消します。消す前に、有料の契約が残っていないかだけ確認してください。契約の管理はアプリ側ではなくストア側にあります。
回数の目安:3晩で終える。4晩以上かけない。理由は単純で、比較のために測っている夜は、対策の記録としては使えないからです。ここを1週間も2週間もかけると、始める前に疲れます。
注意が2つあります。ひとつ、この3晩の数字を良い悪いで判断しないこと。アプリが違えば数字も違うので、比べる意味がありません。見ているのはあくまで操作の短さと画面の見やすさです。ふたつ、3晩とも同じ場所に置くこと。置き場所が変わると、そもそもアプリの差なのか置き方の差なのか分からなくなります。
それと、乗り換えについて。一度決めたら、途中で変えないほうがいいです。乗り換えた時点で、それまでの数字とのつながりが切れます。どうしても変えたくなったら、変えた日を記録に残して、そこから新しい物差しとして数え直してください。
決めたあとにやること
アプリが決まったら、この記事の役目はほぼ終わりです。ここから先は、それぞれ別の話になります。
操作とスコアの見方
いびきラボを選んだ場合の具体的な操作と、朝に出てくるスコアをどう読むか、そして毎晩の測定条件をどうそろえるかは、いびきラボの使い方にまとめてあります。この記事で手順まで書くと同じことが2か所に散らばるので、そちらに譲ります。要点だけ言えば、寝る前に開始して枕元に置き、朝に止めて数字を見る。それだけです。
出た数字をどう受け止めるか
初めて自分の点数を見る朝は、たいてい心が乱れます。私は142点でした。その数字を見た朝に何を考えたか、そこから30日で何をやると決めたのかは142点だった私の記録に書いています。数字そのものより、それを出発点として置き直すところが本題です。

アプリでは分からないこと
ここも正直に書いておきます。アプリの数字は、いびきの音の量を示しているだけです。なぜ鳴っているのか、どこが狭くなっているのかは、数字を眺めても出てきません。音量が大きい夜と小さい夜の差の理由も、記録に条件を書き添えておかない限り分かりません。その音量そのものが何デシベルくらいなのか、画面に出るデシベルの数字をどう読めばいいのかはいびきは何デシベル?dB表示の読み方に分けて書いてあります。
私の場合、点数を持ったあとにやったのは、買い物ではなく原因の見当をつけることでした。何を試したかと数字がどう動いたかを並べた記録は実測30日ログにそのまま置いています。跳ねた夜も、測り忘れた日も、消さずに残してあります。
アプリの数字では判定できないこと
最後に、この記事でいちばん書いておきたいことです。

いびきアプリのスコアは、睡眠時無呼吸症候群(SAS)を判定するものではありません。点数が高いから重症だと決まるわけではないし、点数が低いことが安全の証明になるわけでもありません。アプリが見ているのは音で、医療機関の検査が見ているのは呼吸そのものと血中の酸素です。測っている対象がそもそも違います。
次のようなサインがある場合は、アプリで様子を見ている段階ではないとされています。呼吸器内科・耳鼻咽喉科・睡眠外来で相談してください。
- 寝ているあいだに呼吸が止まっていると、家族に指摘されたことがある
- 録音の中に、いびきがぴたりと止まって無音が続き、そのあと大きく息を吸い直す音が入っている
- しっかり寝たはずなのに日中の眠気が強い(会議中や運転中にうとうとする)
- 夜中に息苦しさで目が覚める、起床時の頭痛が続く
- 高血圧・糖尿病・不整脈などを指摘されている
私は医療者ではないので、ここから先は書けません。どの科に行くか、何を聞かれるかといった受診の話はいびきは何科を受診するかにまとめてあります。私自身は録音に無音の区間が入っていなかったので、いまのところ自宅でできることを続けている、という立場です。
そのうえで言えるのは、アプリの記録は受診したときにそのまま材料になるということです。数晩ぶんの数字と、大きく鳴っていた場面の音声、それに酒や疲れといった条件のメモ。持って行けば、話が早く進みます。無駄になる記録ではありません。
今日やることは1つだけで十分です。候補を2つに絞って、今夜そのうちの片方を走らせる。比較記事をもう1本読むより、そのほうが早く決まります。
