いびきスコア142点だった私の記録|平均は何点?

家族に指摘されて、自分の音を確かめようとアプリを入れる。そこまでは、たぶん多くの人が同じ道を通ります。
私は初回のいびきラボで142点でした。利用者の平均が25と言われる中での数字です。この連載では、ここから30日、自宅でできることだけを続けて、毎晩のスコアを全部公開していきます。
この記事の目次
142点。自分のいびきを初めて数字で見た夜

アプリを入れた動機は、前向きなものではありませんでした。妻が朝になるとソファで丸まっている日が続き、ある夜「今日は下で寝るね」と言われて、次に出てくる言葉は別室だろうと察したからです。自分の音を自分で確かめるしかない、と思いました。

私のケース|初回142点と、録音を再生した朝
初めて計測した翌朝、画面に出ていたのが142という数字でした。測ったのはこの一晩だけなので、平均を語れる段階ではありません。それでも、何もしていない状態の私の出発点がここにあることは分かりました。この142点から、ベースラインを取り始めます。
ただ、私が固まったのは点数ではありません。アプリには音量の大きかった箇所だけを抜き出した録音が残っていて、それを何気なく再生したときです。人間の呼吸だと思えない音でした。低く長く引きずるような音が、途切れることなく延々と続いている。念のため何度か聞き直しましたが、音がぴたりと止まって無音が続く場面は入っていませんでした。そこだけは救いでした。これが毎晩、隣で6時間鳴っていたのかと思うと、妻がソファへ逃げたことに文句のつけようがありませんでした。
いびきは、指摘されている間はどこか他人事です。数字と音を自分で見て聞いた瞬間に、初めて自分の問題になりました。その他人事でいられた背景には、あれだけ音を立てて眠れているんだから大丈夫だという思い込みもあって、それがなぜ逆で対処を遅らせるのかはいびきで「よく寝てた」は逆という話にまとめています。
この記事は、その142点からの連載の第0回です。書いているのは45歳の一当事者で、医者ではありません。治療の話は一切しませんし、できません。やるのは、自宅でできる範囲のことを続けて、毎晩の数字を隠さず並べていくことだけです。
いびきスコアとは何か。平均25という目安の帯
いびきラボ(SnoreLab)はイギリスのReviva Softworks社が開発したアプリで、寝ている間の音を拾い、翌朝にいびきスコアという1つの数字を出してくれます。あわせて、その夜の音を「静か・軽め・大きめ・激しい」の4段階に分けた割合も見られます。
このスコアは、おおまかに言えばいびきをかいていた時間の長さと、その音の大きさを掛け合わせた数値です。短くても爆音なら上がりますし、音量がほどほどでも一晩中鳴っていれば上がります。つまり「その夜、気道がどれくらいの時間ふさがり気味だったか」を音の側から見た代用指標だと考えると、腑に落ちやすいと思います。
無料のままでどこまで測れるのか
費用の話を先に済ませておきます。私は今のところ課金しておらず、無料のまま毎晩測って、翌朝スコアを見ています。寝る前に録音を開始して、朝に点数と4段階の内訳を確認して、大きかった箇所の音を再生する。この連載で並べていく数字は、全部その無料の画面から拾ったものです。有料版で何がどこまで増えるかは、私が使っていないので書けません。書けるのは、自分の点数を持って昨日と比べるところまでは、お金を出さずに届いたという事実だけです。だから最初の一歩に必要なのは、充電ケーブルと枕元のスペースであって、財布ではありません。課金するかどうかの判断は、続くかどうかが自分で分かってからで間に合います。なお、どのアプリで測るかをまだ決めきれていないなら、無料でどこまで届くか・録音が残るか・数字がどんな形で出るかを軸に主要アプリを整理したアプリ選びの5つの軸を先に見ておくと、迷う時間が短くて済みます。
私が調べて整理した、スコアの目安の帯
先に大事なことを書いておきます。公式に決められた重症度の区分ではありません。アプリを紹介している各所で平均値として挙がる数字(多くは25、媒体によっては25から30)と、計測を続けている人たちが公開している実測値を並べて、私が自分用に作った目安です。自分の点数がどのあたりの帯にいるかを掴むためだけに使ってください。
- 25前後:アプリ利用者の平均としてよく挙げられる数字。寝息レベルの音も拾われるので、いびきゼロでも0点にはなりません。
- 25から50:平均を超えている帯。同室の家族から「うるさい」と言われ始める人が多いあたりです。
- 50から100:計測を公開している人のブログでも、この帯に入ると別室や耳栓の話が出てきます。
- 100超:私がいた帯です。ここまで来たら、点数の高さそのものより、次の章に書く受診のサインが自分に当てはまるかどうかを先に確かめたほうがいいと思っています。
もうひとつ。スコアは他人と比べる数字ではなく、自分の先週と比べる数字です。次の章で書くとおり、測定条件が変わるだけで簡単に動きます。142という数字そのものより、142が来週いくつになるかのほうが、私にとってはずっと意味があります。この画面を妻に見せたとき、女の人の平均は何点なのかと聞かれて答えられなかったのですが、そのあと探した結果はいびきラボのスコアに女性の平均はあるのかに書きました。
この数字は当てにならない、という前提も持っておく
スコアに一喜一憂しないために、先に限界を書いておきます。私はこれを知らずに1週間、毎朝勝手に落ち込んでいました。
1. 機種と置き場所で数字が動く
アプリが拾えるのは、スマホのマイクに届いた音だけです。端末が違えばマイクの感度も違いますし、枕からの距離や向き、充電ケーブルの取り回しで置き場所が数センチずれるだけでも、入ってくる音は変わります。端末を買い替えたら、その時点で過去の数字とは比べにくくなると思っておいたほうがいいです。私は、同じスマホを毎晩同じ位置に置くことだけは守るようにしています。
2. いびき以外の音も拾う
寝言、歯ぎしり、寝返りの衣ずれ、エアコン、同じ部屋で寝ている家族の音まで入ります。純粋に自分のいびきだけを測っているわけではありません。
3. 医学的な重症度ではない
アプリが測っているのは音だけです。病院の検査が見ているのは呼吸そのものと血中の酸素で、まったく別のものを測っています。スコアが低いから安心という話にもならないし、高いから重症という話にもなりません。アプリは出発点であって、診断ではないという説明を、いびきの専門クリニックも繰り返し出しています。

この2つに当てはまるなら、点数より先に受診を
録音を再生して、いびきがぴたりと止まって数十秒の無音が続き、そのあと大きく息を吸い直す音が入っている。あるいは、家族から呼吸が止まっていたと指摘されたことがある。加えて、十分寝たはずなのに日中に強い眠気があり、会議中や運転中に落ちそうになる。
このどちらかに心当たりがあるなら、自宅でできることを試す前に、耳鼻咽喉科や睡眠外来で相談してください。睡眠時無呼吸症候群は自宅ケアで扱う話ではありませんし、私は医者ではないので、ここから先には踏み込みません。録音とスコアの画面は、そのまま持って行けば診察の材料になります。
一度下げたのに、記録が一枚も残っていない
正直に書いておきたいことがあります。私は過去にも一度、自力でいびきを軽くしたことがあります。当時、家族から言われる回数が明らかに減った時期がありました。
ところが、その時期の記録が一枚も残っていません。何をどれくらいの期間やったのか、途中で何をやめたのか、どの週に変わり始めたのか、全部あいまいです。だから今回また142点まで戻ってきたとき、自分で自分に再現の手順を渡せませんでした。手ぶらで振り出しに立っていたわけです。
もっと言えば、そこに行き着くまでにグッズもひと通り買っています。鼻に貼るテープ、口を閉じるテープ、市販のマウスピース、耳栓は妻用に。どれも一晩か二晩は「今日は静かだった気がする」と言い合って、そのうち引き出しの奥に移動しました。効かなかったと断言はしません。効いたかどうかを判定する数字を、私が持っていなかっただけです。その引き出しを開けるのはたいてい出張や旅行で相部屋が決まった日で、慣れない物を旅先でいきなり試すとどうなるかは相部屋の夜に向けて前日までに打てる手に書いています。
だから今回は逆から始めます。何かを始める前に、まず数晩測ってベースラインを固める。そのうえで自宅でやることを固定して、毎晩の数字とその日の条件(酒、疲れ、鼻づまり)をセットで残す。良かった夜も跳ねた夜も、全部そのまま公開する。それが実測30日ログという連載です。
\ 30日でやることの全体像 /
タイプ別の組み合わせと、使える時間から選ぶプログラムは気道力メソッドに整理しています。先に中身を見てから、続けられそうか判断してください。
教材の内容を見る※18歳未満は登録できません
30日で何をやるか(1日3分の4つと、寝る前の1つ)
この30日でやることは、決して多くありません。1日3分の4つと、寝る直前の1つだけです。名前だけ先に挙げておきます。
- 咀嚼(口を閉じて、ガムを噛むまねを1分)
- あくび寸前(あくびが出そうで出ていない感覚のまま息を吸う)
- ング・アー(舌先を下の前歯の裏に置いたまま、舌の奥だけを動かす)
- 舌ストレッチ(舌を外へ下へ伸ばし、声を出しながら吐き切る)
- そして寝る直前に、あくび寸前をもう1セット
あわせて寝るときの姿勢も、横向きか仰向けのどちらかに決めます。どちらが自分に合うかの判断は気道力メソッドに書きました。
この4つは顎・喉・舌・軟口蓋に、それぞれ別の角度から効くように選ばれた組み合わせです。どれをどのタイプの人がどの順で組むか、時間が取れる日にどう積み増すかという話は長くなるので、気道力メソッドのほうにまとめています。
今夜できるセルフテスト(舌落ちタイプかどうか)
ひとつだけ、この場でできるものを置いておきます。背筋を伸ばして座り、口から大きく吸って吐きます。次に、舌をわざと喉の奥へ押し込みながらもう一度吸ってみてください。自分で気道を狭めているので、いびきに似た音が出るはずです。
この音に聞き覚えがありますか。あるいは、家族に聞かせて「いつもの音に近い」と言われますか。当てはまるなら舌落ちタイプの可能性が高い、と私は考えています。舌落ちタイプ・喉せまタイプ・鼻づまりタイプ・顎タイプ・軟口蓋タイプの5つの見分け方はタイプ診断にまとめました。

測り方のルールを4つだけ決めました
- 置き場所を毎晩同じに。枕元の同じ位置、頭から50cmから1mくらい。充電しながら測ります。
- 寝る姿勢をそろえる。仰向けか横向きかでスコアは大きく動きます。寝入りの姿勢を固定し、途中で戻ってしまった朝はメモに残します。
- その日の条件をメモする。酒を飲んだ、ひどく疲れた、鼻がつまっていた。この3つだけでも書いておくと、跳ねた夜の理由が後から説明できます。
- 単日で判断しない。見るのは7日ごとの平均だけにします。いびきは日ごとの振れ幅が大きく、昨日と今日を比べても何も分かりません。
そして最初の数晩は、何もせずに測るだけにしました。これがベースラインです。変化を証明できるのは、始める前の数字を持っている人だけなので。その初日が142点でした。
あなたの点数は何点ですか

この連載を読むうえで、いちばん役に立つ準備は、あなた自身の点数を持っておくことです。私が使っている範囲では無料のまま測れますし、必要なのは充電ケーブルと、枕元の30cm四方のスペースだけです。今夜と明日と明後日、3晩だけ測ってください。それであなたのベースラインが出ます。
私の数字を先に置いておくのは、比べてもらうためではありません。142という数字を人に見せた人間が、そのあと何をして、どこで跳ねて、どこで動き始めたのかを、逃げ場のない形で残しておきたいからです。何も変わらなかったらそれも書きます。前回のように、うまくいった記憶だけ残して記録を失うことは、もうしません。
更新は週1回、7日分の平均が出たタイミングで実測30日ログに上げていきます。第1週の記事では、数字がほとんど動かなかった1週目に何を考えていたかを書く予定です。ここでやめる人がいちばん多い、と言われている週なので。
