いびきラボのスコア|女性の平均は?男女差の受け止め方

自分のいびきのスコアを妻に見せたら、これ、女の人の平均は何点くらいなの、と聞かれて、私はうまく答えられませんでした。
先に書いておきます。いびきラボのスコアに、性別で決まった確かな平均は、私が調べた範囲では見つかりませんでした。数字は機種や測り方で動くので、女性の平均という一本の線は引きにくい。この記事は、その受け止め方だけを書きます。
この記事の目次
「女の人の平均は?」と聞かれて、答えられなかった
ある夜、私は自分のいびきのスコアを妻に見せました。半分は証拠のつもりでした。すると返ってきたのは責める言葉ではなく、「これ、女の人の平均は何点くらいなの」という質問でした。私はそこで口ごもりました。自分の数字は持っているのに、それが世の中のどのあたりなのか、まして女性の平均がいくつなのか、何ひとつ答えられなかったのです。
先に立場を書いておきます。私は四十五歳の当事者で、医者ではありません。診断や治療の話はしませんし、できません。ここで書けるのは、いびきラボのスコアに出てくる数字と、その「女性の平均」という問いを、どう受け止めればいいのか、という受け取り方までです。
この「女性の平均は?」という問いは、検索でもよく打たれています。おそらく、自分の数字が女性としては高すぎるのではないか、女なのにこんな音を出しているのはおかしいのではないか、という不安が下敷きになっているのだと思います。その恥ずかしさそのものや、女性ホルモンや骨格といった体の背景は別の記事の担当なので、女性のいびきの原因と背景のほうに譲ります。ここでは、数字の受け止め方だけに絞ります。
いびきラボのスコアに「女性の平均」が見つからない理由
いちばん知りたいところから、正直に書きます。いびきラボのスコアに、「女性だけの平均」として当てにできる確かな数字は、私が調べた範囲では見つかりませんでした。よく目にする「利用者の平均は25前後」という数字も、男女で分けたものではありません。男性も女性も混ざった、アプリを使っている人全体の、おおまかな目安として紹介されているものです。
そもそもこのスコアが何を測っているのか、その見方はこの記事の担当ではありません。一晩の音の長さと大きさを合成した、このアプリ独自の数値だという読み方はいびきラボの使い方とスコアの見方にまとめてあるので、そちらに譲ります。ここで押さえておきたいのは、その一点だけです。スコアは、スマホのマイクが拾った音から計算されている、ということ。

マイクは、その音が女性のものか男性のものかを区別しません。同じ人が測っても、機種を変えれば数字の水準が変わりますし、枕からの距離や部屋の広さでも動きます。つまりスコアは、体の性別より先に、その夜の測り方の条件をそのまま映します。だから「女性なら何点まで」という線を、この数字の上に引くこと自体に、あまり意味がないのです。
平均25という数字の扱い方や、100を超えていた私自身の位置づけについてはいびきスコア142点だった私の記録のほうに書きました。ここでくり返すのは避けますが、ひとつだけ持ち帰ってほしいのは、あの平均の数字も性別で切ったものではない、ということです。だから女性が25と自分を比べても、そもそも相手が女性の平均ではありません。
男女差は「割合」と「スコア」で、別の層の話
「いびきは男性のもの」という感覚は、たしかにあります。私自身、いびきに悩んでいるのは自分のような中年男性ばかりだと思い込んでいました。ただ、この「男性に多い」という話は、いびきをかく人がどれくらいいるかという割合の話であって、アプリのスコアが何点になるかという話とは、別の層のものです。ここが混ざると、受け止め方がややこしくなります。
割合のほうの男女差、つまり男性に多いとされる数字をどう読むか、女性の割合が実際より低く見えているかもしれない事情についてはいびきをかく人の割合と数字の読み方に整理してあります。ここでその中身はくり返しません。この記事で扱うのは、割合ではなく、スコアという一人ひとりの数字のほうです。
そして、スコアには性別の物差しがありません。さきほど書いたとおり、マイクが拾うのは音の量だけで、そこに男女の別は入っていません。だから、女性が自分のスコアを見て「女としては高すぎる」と感じるとき、比べている相手が、実ははっきりしないのです。女性だけの平均という表があって、それより上だから高い、という話ではない。多くの場合、男性の体験談の数字や、男女が混ざった平均と、無意識に並べて落ち込んでいます。
ここが、男女差の受け止め方でいちばん取り違えやすいところだと思います。数字が高いことより、比べる相手を間違えたまま落ち込むことのほうが、人を消耗させます。私の妻が「女の人の平均は?」と聞いたのも、裏を返せば、自分の側の物差しが欲しかったからだと思います。でも、その物差しは、性別の平均という形では手に入りません。
性別の平均を探す手を止める、三つの手当て
では、確かな女性の平均が無いとき、あの問いにどう向き合えばいいのか。私が自分の場面に当てはめて使っているのは、気道力メソッドにある「数字で見栄を張らない」という記録の作法を、妻に平均を聞かれたあの瞬間に落とし込んだ、三つの手当てです。特別な道具は要りません。
「女の人の平均は?」と聞かれた(自分が知りたくなった)ときの三つの手当て
- 数字をこしらえない。「女性だけの確かな平均は、調べた範囲では見つからなかった」と、知らないことを知らないと言い切ります。ここで見栄を張って適当な数字を出すと、相手はその一晩、あるいは何週間も、こしらえた数字に縛られます。私が口ごもった夜、いちばんやってはいけなかったのは、それらしい数を口にすることでした。
- 出せない理由を、一つだけ共有する。スコアはマイクが拾った音の量から出ていて、性別で補正されていない。だから「女性なら何点まで」という線は、そもそも引けない。この一点を伝えるだけで、相手の目的が、平均と比べて安心することから、自分の音を知ることへ、少しずつ動いていきます。
- 探す先を、性別と関係ない一つの合図へ付け替える。女性の平均を探す手を止めて、代わりに、性別も平均も関係なく効く合図を一つだけ見張ると決めます。それが何かは、この記事の最後の節に書きました。比べる相手を替えるだけで、同じ数字がずいぶん扱いやすくなります。
回数の目安は、平均を知りたくなるたびに一度、この三つで立ち止まること。慣れると三十秒で済みます。注意は二つあります。ひとつ、恥ずかしさを「だから気にするな」で押し流さないこと。数字の受け止め方と、恥ずかしさそのものは別の問題で、後者は女性のいびきの背景の側で扱う話です。ふたつ、相手にも自分にも、こしらえた数字を渡さないこと。無い平均を無いと言うのは負けではなく、いちばん正直な出発点です。
そのうえで、比べ方そのもの、たとえば置き場所をそろえて先月の自分と照らすやり方はいびきラボの使い方に手順として置いてあります。この節でやっているのは、比べる相手を性別の平均から外す、その一手だけです。まずここを外さないと、いくら測っても、他人の数字を見た日に振り出しへ戻ってしまいます。
\ 比べる相手を替えたら /
性別の平均ではなく自分の夜を見ると決めたら、次は何をどの順番で続けるかです。私が使っている組み立ては気道力メソッドにタイプ別でまとめています。一度に全部やらないための順番です。
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私のケース:妻に平均を聞かれて、答えられなかった
ここまで理屈を並べてきましたが、私がこの受け止め方にたどり着いたのは、冒頭のあの場面で、みっともなく口ごもったからです。
私のケース:妻に自分のスコアを見せたら「女の人の平均は?」と聞かれ、答えられなかった
その夜、私は自分のいびきのスコアを、半分は証拠として妻に見せました。別の部屋で寝ると言われかけて、そんなに言うほどかと、正直まだどこかで疑っていたのです。二人で、暗い部屋のなか、光る画面をのぞき込みました。数字にたどり着くまでの詳しい経緯はいびきスコア142点だった私の記録のほうに書いています。
妻は、その数字を責めませんでした。代わりに、少し考えてから「これって、女の人の平均は何点くらいなの」と聞いてきました。自分と比べる相手を探していたのだと思います。私は、答えられませんでした。自分の点は持っているのに、それが高いのか普通なのか、まして女性ならどのあたりなのか、何も知らなかった。
恥ずかしいことに、その一瞬、それらしい数字を口にしかけました。適当な平均を一つでっち上げれば、その場は収まる気がしたのです。でも、根拠がひとつもない。飲み込みました。代わりに出てきたのは、「ごめん、女の人の平均っていう確かな数字は、俺も知らない」という一言でした。かっこうは、つきませんでした。
あとで自分でも調べましたが、やはり見つかりませんでした。性別で切った平均という形の数字は、私が探した範囲では出てこなかった。もしあの夜、でっち上げた数字を口にしていたら、妻はしばらくそれに縛られていたはずです。無いものを無いと言えたことだけは、いま振り返っても、間違っていなかったと思っています。

この場面から学んだのは、女性の平均を答えられないことは、こちらの落ち度ではない、ということでした。無い数字は、誰にも答えられません。問われて困るのは、平均という形で安心したいからで、その安心はもともと、性別の平均からは手に入らないものだったのです。
スコアより先に置く、性別と関係ない一線
前の節で、「性別と関係ない一つの合図に付け替える」と書きました。その合図が、この節です。女性の平均を探す手を止めて、代わりにここだけは見張ってほしい、という一線があります。これは男女でも平均でもなく、順番の話です。
いびきの途中で音がぴたりと止まり、しばらくの無音のあと、大きく息を吸い直す音が入る。これは、眠っているあいだに呼吸が止まっている可能性のあるサインだとされています。次のどれかに心当たりがあるなら、スコアが女性として高いかどうかを気にしている場合ではありません。
- 録音に、音が止まってから大きく吸い直す場面が入っている
- 家族から、寝ているあいだに呼吸が止まっていた、と指摘されたことがある
- 夜中に息苦しさで目が覚めることがある
- 寝たはずなのに、日中の眠気が強い(会議中や運転中にうとうとする)
- 起きたときの頭痛や、寝ても疲れが抜けない感じが続いている

このどれかに当てはまるなら、自宅で様子を見る前に、耳鼻咽喉科や呼吸器内科、睡眠外来で相談してください。どの科に行き、どんな検査があるのかはいびきは何科かにまとめてあります。念のためもう一度書いておきますが、私は医者ではありません。ここで言えるのは、このサインがあるときは、平均の話より受診が先だ、という順番までです。
逆に、このサインのどれにも当てはまらないなら、女性の平均が見つからないことに、必要以上に落ち込まなくて大丈夫です。あなたが持っている数字は、世間の平均と並べるためのものではなく、先月のあなたと比べるためのもの。そこから先は、家でできる範囲の話になります。

順番だけ、もう一度置いておきます。呼吸の止まりや強い眠気があるなら受診が先。無いなら、性別の平均は探さず、先月の自分とだけ比べて、家でできることを続ける。この二段構えが、数字に振り回されないための道だと思っています。
