ホーム家族の方へいびきに「最強」の耳栓を選ぶ方法|遮音値・素材・形・つけ方

いびきに「最強」の耳栓を選ぶ方法|遮音値・素材・形・つけ方

いびきに「最強」の耳栓を選ぶ方法|遮音値・素材・形・つけ方

隣のいびきに耐えかねて耳栓を探したのに、種類が多すぎて棚の前で固まる。私の妻が、まさにそこで立ち止まっていました。

耳栓は、遮音値と素材と形の三つで選べば外しません。この記事は道具の選び方だけを書きます。眠れない夜の過ごし方や本人への伝え方は、別の記事に譲ります。

この記事の目次
  1. 耳栓選びは、遮音値・素材・形の三つで決まる
  2. 遮音値の読み方(NRRとSNR、表示値のわな)
  3. 素材で選ぶ(フォーム・粘土・フランジ)
  4. 形とサイズで選ぶ(合う穴に、合う一個)
  5. 正しいつけ方と、衛生の注意
  6. 耳栓で足りないとき、その音が越えている線

耳栓選びは、遮音値・素材・形の三つで決まる

いびきの音に眠りを削られて、ドラッグストアの耳栓の棚に立つ。並んでいるのはフォーム、粘土のように練るもの、傘のような形がついたもの。色も形もばらばらで、値段も数十円から千円を超えるものまである。パッケージを裏返しても、どれが自分に合うのかの判断材料が見つからない。私の妻が、まさにそこで固まっていました。

耳栓を持つ手
棚の前で固まるのは、選ぶ物差しを渡されていないからです。

先に物差しを渡します。耳栓選びで見るところは三つだけです。どれだけ音を下げるかの遮音値、耳の中での当たり方を決める素材、そして耳の穴に合うかどうかの形とサイズ。この三つを順に見れば、棚の前で迷子にならずに済みます。この記事は、その道具選びだけを担当します。

先に線を引いておきます。私は医者ではありません。いびきをかく側の当事者で、ここに書けるのは耳栓という道具の選び方までです。眠れない夜をどう乗り切るか、本人にどう切り出すかといった心構えの話は、いびきがうるさくて寝れない夜の対処法のほうにまとめてあります。この記事とあちらを、道具と心構えで分けて読んでください。ここでは、道具の話に集中します。

静山 静山の実体験

私のケース:妻が黙って耳栓を使っていたと、あとから知った

私は四十五歳、いびきをかく側の人間です。ある朝、妻の枕元に小さな耳栓が転がっているのを見つけました。いつからかは分かりません。私が寝入ったあとに付けて、私が起きる前に外していたのだと思います。責める言葉の代わりに、妻はずっとそれを黙って使っていました。

そのとき初めて、自分が耳栓について何も知らないことに気づきました。遮音値という言葉も、素材で付け心地がまるで違うことも、耳の穴に合う合わないがあることも、一つも知らなかった。妻を眠れなくさせている当人なのに、その妻が握っていた道具のことを、私は調べたことすらなかったわけです。この記事は、そのとき私が遅ればせに調べたことの、整理し直しです。

妻
どれを買っても同じだと思って、いちばん安いのを握って帰ってた。
静山静山
同じではありませんでした。三つの物差しを知っていれば、あの棚でもっと早く選べたはずです。だから、その三つから順に書きます。

遮音値の読み方(NRRとSNR、表示値のわな)

まず一つ目の物差し、遮音値です。どれだけ音を下げてくれるかを表した数字で、単位はデシベルです。パッケージに数字が書かれていれば、それが選ぶときのいちばん硬い手がかりになります。

NRRとSNR、二つの表示

私が調べた範囲では、遮音の数字には主に二つの表し方があります。ひとつはNRRで、アメリカ基準の表示です。もうひとつはSNRで、ヨーロッパ基準の表示です。どちらもデシベルの単位で、数字が大きいほど下げ幅が大きいとされています。輸入品のパッケージにこのアルファベットと数字が並んでいたら、それが遮音値だと思って構いません。国産の睡眠用には、この表記が無く「約何デシベル低減」とだけ書かれているものもあります。

表示の数字を、そのまま信じすぎない

ここが選ぶうえで大事なところです。パッケージに載っている数字は、試験室で理想的に装着したときの値だとされています。実際に自分の耳に入れたときの下げ幅は、それより小さくなりがちです。理由は単純で、奥まで正しく入っていなかったり、耳の穴に合っていなかったりすると、そこから音が漏れるからです。つまり、同じ耳栓でも付け方とサイズ合わせで実際の効きが変わる。数字の大きい物を買っても、付け方が甘ければ数字どおりには下がりません。だから遮音値は「上限の目安」として読み、実際の効きはつけ方でつくる、と考えておくのがいいと思います。付け方は後ろの節に手順で書きました。

フォームタイプの耳栓を手に取るところ
数字が同じでも、耳への収まり方で実際の効きは変わります。

いびき対策では、遮音値は高ければいいわけではない

騒音対策なら遮音値は高いほどありがたいのですが、いびき相手だと少し事情が違います。最大まで消しにいくと、目覚ましのアラーム、家族の呼ぶ声、地震や火災の警報まで聞こえにくくなります。夜中に何も聞こえない状態への不安で、かえって眠りが浅くなる人もいます。だから狙うのは、音をゼロにすることではありません。いびきの不規則な立ち上がりが気にならない程度まで下げる、その手前で止めておくのが現実的です。耳栓が音をゼロにする道具ではない、という前提そのものは眠れない側の記事でも触れました。この記事では、その前提の上で「どれを選ぶか」に絞ります。

妻
遮音値がいちばん大きいのを買えば、間違いないですよね。
静山静山
そうとも限りません。大きすぎて必要な音まで消えると、別の不安で目が覚めます。中くらいから始めて、翌朝の起きやすさで上げ下げするほうが外しません。

素材で選ぶ(フォーム・粘土・フランジ)

二つ目の物差しは素材です。ここが付け心地を決めます。遮音値が同じでも、素材が合わないと痛くて外してしまうので、実は数字より効いてくる選び方です。大きく三つに分かれます。

素材のタイプ入れ方と特徴向いている人
フォーム(発泡ウレタン)細くつぶして耳の穴に入れ、中で膨らんで密着する。遮音は高めのものが多い。柔らかいが、使い捨て前提で数回で替える遮音を優先したい人、耳の中の圧迫感が少ないほうがいい人
粘土タイプ(シリコン・ワックス系)練って耳の入り口に蓋をするように貼る。奥には入れない。洗える種類なら数回使える耳の奥に入れると痛い人、横向きで寝て枕に当たるのが気になる人
フランジタイプ(成形シリコン・樹脂)傘が重なったような形。洗って繰り返し使える。着脱が楽で、サイズ違いが選べるものもある毎晩使う人、衛生を保って長く使いたい人

フォームは、遮音とコストのバランスがいい

いちばん手に入りやすく、遮音値も高めのものが多いのがフォームです。つぶして入れ、耳の中でゆっくり膨らんで穴をふさぐ仕組みなので、正しく入れば密着が強い。難点は衛生面で、水を吸うと雑菌が繁殖しやすいため、私が調べた範囲では数回で使い捨てるのが前提とされています。毎晩取り替える前提でコストを見ておくと、あとで慌てません。

粘土タイプは、横向き寝と相性がいい

耳の奥に入れず、入り口に蓋をするタイプです。耳の穴に棒状のものを入れると痛い、という人はこちらが合います。枕に当たっても飛び出しにくく、横向きで寝る人と相性がいい。遮音はフォームよりおとなしめのことが多いので、大きないびきには物足りない場合があります。

フランジタイプは、繰り返し使えて衛生的

洗って何度も使えるので、長い目で見ると経済的です。着脱がはっきりしていて、寝る前に入れて朝に外す動作が楽なのも利点です。傘の段数やサイズで耳への合い方が変わるので、合う一個に当たるまで少し試す前提で選ぶといいと思います。

\ 音を小さくする一方で /

耳栓はあなたの側を守る道具で、鳴っている気道そのものには触れません。鳴る側でできる自宅ケアは気道力メソッドにまとめてあります。道具で今夜をしのぎながら、根っこは根っこで動かす。この二本立てが、いちばん消耗しない道でした。

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形とサイズで選ぶ(合う穴に、合う一個)

三つ目の物差しは、形とサイズです。ここが見落とされがちなのですが、耳の穴の大きさは人によって違います。遮音値の高い物を選んでも、穴に合っていなければそこから音が漏れて、数字は意味を持ちません。合わない一個は、痛いか、抜けるか、効かないかのどれかになります。

細い穴には、細い耳栓を

耳の穴が小さめの人が大きめのフォームを入れると、押し込むときに痛みが出たり、膨らみきらずに浮いてしまったりします。逆に、穴が大きめの人が小さい耳栓を使うと、朝までに抜け落ちていることがあります。女性やもともと耳の穴が細い人は、小さめ、細めと書かれた製品から試すのが外れにくいです。私の妻も、最初に握って帰ったのは大きめのフォームで、痛くて数日でやめていました。細めに替えてから、朝まで残るようになったそうです。

ナイトテーブルの水と時計
合う一個に当たるまでは、枕元に何種類か置いて試す前提でいるほうが楽です。

紐つきか、紐なしか

耳栓には左右がつながった紐つきのものがあります。就寝用としては、寝返りで首に引っかかるのが気になるなら紐なし、朝に片方を失くしやすいなら紐つき、という選び方でいいと思います。どちらが優れているという話ではなく、寝相との相性です。

最初から一個に決めない

形とサイズは、パッケージの表示だけでは自分に合うか分かりません。だから最初の一箱は、当たりを引くための試し打ちだと思っておくと気が楽です。合わなかった耳栓は失敗ではなく、自分の耳の穴の大きさを教えてくれた情報になります。何種類か小分けで買えるものがあれば、それで自分の当たりを先に見つけてから、まとめ買いに進むのが遠回りに見えて早い順番でした。

妻
合う合わないなんて、付けてみないと分からないですよね。
静山静山
そのとおりです。だから最初の一箱は試し打ちと割り切って、当たりを見つけることにお金を使うつもりでいると、無駄買いした気分になりません。

正しいつけ方と、衛生の注意

選び方の最後に、つけ方を書きます。前の節で書いたとおり、耳栓の実際の効きは付け方でかなり変わります。とくにフォームは、ただ耳に押し込むだけだと膨らみきらず、表示の半分も下がらないことがあります。フォームの正しい入れ方には決まった手順があるので、そこだけは覚えてしまってください。

フォーム耳栓の入れ方(ロールダウンという方法)

  1. 手を洗います。耳の中に入れるものなので、ここは省かないでください。
  2. 耳栓を親指と人差し指でつまみ、細く長い棒になるように10秒ほどかけてよじりつぶします。しわが残らないよう、なめらかな棒にするのがこつです。
  3. つぶしている間に、反対の手で耳の上のふちを後ろ斜め上に軽く引き上げます。こうすると耳の穴がまっすぐになって、奥まで入れやすくなります。
  4. つぶれているうちに耳の穴へ入れ、そのまま指先で20〜30秒おさえて、中で膨らみきるのを待ちます。この待ち時間を省くと、膨らむ前に押し出されてしまいます。
  5. 話し声や自分の声が急にこもって聞こえたら、入っている合図です。片方だけ音の抜けが大きいなら、それは入りが浅いので入れ直します。

回数の目安:つぶすのに10秒、おさえるのに20〜30秒。これを両耳で、毎晩。慣れれば片耳十数秒です。粘土タイプやフランジタイプは膨らみを待つ必要がないので、この手順のうち「よじる」と「おさえる」は要りません。それぞれの説明書に沿って、入り口に蓋をする、あるいは奥まで差し込む、で足ります。

衛生と、外しておきたい注意

耳栓は耳の中に長く入れておく道具なので、扱いを間違えると耳のトラブルにつながります。私が気をつけているのは次のところです。

  • 奥まで押し込みすぎない。鼓膜を傷めるおそれがあります。膨らんで密着すれば、深さは要りません。
  • 痛みやかゆみが出たら、その日は外す。合っていない合図なので、我慢して使い続けないでください。
  • 使い回しすぎない。フォームは数回で替える、洗えるタイプは乾かしてから使う。汚れたまま入れると外耳炎の原因になるとされています。
  • 目覚ましは、バイブや大きめの音に変えておく。耳栓ごしでも起きられるように、鳴り方のほうを先に調整しておくと安心です。

ここまでが、耳栓という道具の選び方と使い方です。遮音値で上限を見て、素材で付け心地を決めて、形とサイズで自分の穴に合わせて、正しく入れる。この四つがそろって、初めて表示の数字に近い効きが出ます。

妻
ただ耳に突っ込んでただけだった。膨らむのを待つなんて知らなかった。
静山静山
私も知りませんでした。同じ耳栓でも、この待ち時間があるかないかで効きが変わります。ここだけは、手順として覚えておく価値があります。

耳栓で足りないとき、その音が越えている線

最後に、道具の話から一歩だけ離れます。耳栓は、あなたの側の睡眠を守る道具です。ただ、耳栓で音を小さくしても、鳴っている本人の体は何も変わっていません。ここだけは、選び方の続きとして書いておきます。

耳栓で音を消していると、本人の異変にも気づきにくくなります。同じ部屋で寝ているあなたが、いびきの途中で呼吸が止まっているように見える時間がある、止まったあとにあえぐような音で息が戻る、あるいは本人が日中に強い眠気を訴えている。このどれかがあるなら、耳栓を足す前に受診を勧めてください。睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、これは道具で音をふさいで済ませていい状態ではありません。何科へ行くか、どんな検査があるかはいびきは何科かにまとめてあります。呼吸の止まりを見ているのは、眠れずに天井を見ているあなただけなので、その一言は本人にしか渡せない情報です。

夜ベッドで眠れない日本人
耳栓で今夜をしのぐことと、本人の異変に気づくことは、両立させておきたいところです。

その線を越えていないなら、耳栓は今夜を守る現実的な手です。ただ、耳栓はずっと使う前提の道具ではありません。あなたが毎晩耳をふさぎ続けるのは、対症療法としては正しくても、根っこはそのまま残ります。根っこにあたる、鳴る側の気道を整える自宅ケアは、私自身が続けている気道力メソッドのほうに置きました。測り続けている記録は実践ログにあります。相手の音が忙しい時期にかぎって大きくなるなら、その裏で昼の気の張りが夜まで残っている場合もあり、その経路はストレスと食いしばりがいびきを押し上げる話にまとめてあります。

渡し方の話、つまり本人にどう切り出せば責める形にならないか、という心構えの部分は、この記事の担当ではありません。私自身が妻から道具を渡されて意地になった側なので、その順番の失敗は眠れない側の記事のほうに正直に書きました。耳栓で自分の睡眠をいくらか取り戻してから、本人の話をする。その順番も、あちらに置いてあります。

妻
とりあえず今夜、眠れればそれでいいんです。
静山静山
その今夜を守るために、耳栓を選ぶ物差しを書きました。遮音値と素材と形の三つです。守れた夜がいくつか続いてから、根っこの話は考えれば十分です。

\ 道具は道具、根本は別 /

耳栓で今夜をしのぎつつ、鳴る側の気道を整える手は気道力メソッドに置いています。あなたが眠れる夜を取り戻すことと、本人の体を守ることは、同じ方向を向いています。

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この記事を書いた人

静山

静山 |いびきスコア142点からの30日再現実験・進行中

静山(しずやま)/40代。長年の爆音いびきで家族に別室を言い渡されかけた当事者。いびきラボのスコア(開始時142点)を毎晩記録し、舌・喉・顎・呼吸の自宅トレ『気道力メソッド』で下げていく過程をすべて公開している。医者ではないので治療の話はしない。自宅でできることだけを、実測の記録つきで書く。

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