ホーム原因診断タバコといびき|喫煙・受動喫煙が気道を腫らすしくみ

タバコといびき|喫煙・受動喫煙が気道を腫らすしくみ

タバコといびき|喫煙・受動喫煙が気道を腫らすしくみ

タバコといびきは関係ない、と長いあいだ思っていました。私が吸うのをやめてから気づいたのは、その反対のことでした。

先に書いておきます。自分で吸う煙も、そばで吸われる受動喫煙も、鼻とのどの粘膜を腫らす方向に働くとされています。腫れて狭くなった通り道は、夜に鳴りやすくなる。まずはここだけ押さえます。

この記事の目次
  1. たばこは、気道の粘膜を腫らす側の原因
  2. 吸っている本人の、鼻とのどで起きていること
  3. 受動喫煙:そばにいる人の気道も、同じ煙を通る
  4. 就寝前の煙を空けて確かめる(観察の手順)
  5. やめてから気づいたこと、そして受診の線

たばこは、気道の粘膜を腫らす側の原因

いびきは、眠っているあいだに空気の通り道が狭くなって、その狭いところで組織が震える音です。だから、通り道を狭くするものは、どれもいびきの側に一票を入れます。たばこが効いてくるのは、まさにこの狭くするところです。

和室の座卓に置かれた石の灰皿とコップの水
灰皿がそばにある夜と、無い夜。私は長いあいだ、その差を記録していませんでした。

もう少し具体的に書きます。煙に含まれる成分は、鼻の奥からのどにかけての粘膜を刺激します。刺激された粘膜は、守ろうとして腫れます。腫れれば、もともと通っていた道が細くなる。加えて、粘りけのある分泌物が増えて、通り道の内側がさらに狭くなるとされています。この腫れて、粘って、細くなるという一連の流れが、たばこがいびきに関わるときの中身です。鼻の穴が細いといった生まれつきの形の話ではなく、あとから足された腫れのほうが、たばこの担当だと考えると分かりやすいです。

ここで一つ、はっきりさせておきたいことがあります。私は医者ではありません。四十五歳の、いびきの当事者です。だから、たばこが体に及ぼす害の全体や、禁煙の医学的な効果を、ここで断定するつもりはありません。この記事で扱うのは、あくまで煙が気道を狭くする方向に働き、それがいびきと重なるという一点だけです。それ以上の健康の話は、私の担当の外に置きます。

もう一つ、線を引いておきます。いびきの原因は、たばこ一つに決まりません。舌の付け根、のどの奥、鼻、あご、飲酒、疲れ、加齢。いくつかが重なって、初めて音になります。たばこはその中の一枚であって、全部ではありません。原因を全部並べてどう重なるのかという地図は、いびきの原因を全部並べる記事にまとめてあるので、そちらを土台にしてください。この記事は、その地図の中のたばこという一枚を、深く見るための場所です。

妻
たばこでいびきが変わるなんて、考えたこともなかったです。
静山静山
私もそうでした。むしろ、吸っていた頃はそれが普通の状態だったので、比べる相手がいなかったんです。やめて初めて、朝ののどの感じが違うと気づきました。

吸っている本人の、鼻とのどで起きていること

まず、自分で吸っている人の側から書きます。煙が最初に触れるのは、口とのどの粘膜です。そのあと鼻の奥にも回ります。この二か所は、いびきが鳴る場所とちょうど重なっています。

のどの側で起きること

のどの粘膜が煙で刺激され続けると、慢性的に腫れやすい状態になるとされています。朝起きたときにのどがいがらっぽい、乾いている、痰がからむ。喫煙している人がよく口にするこの感じは、粘膜が炎症を起こしているサインとして知られています。のどが腫れているぶん、眠って筋肉の張りが抜けたときに、通り道はいっそう狭くなります。昼はなんとか通っていた道が、夜に足りなくなる。喫煙者のいびきには、このもともと少し狭いところに、夜の緩みが足されるという重なりが起きやすいと私は考えています。

断面図:吸気で軟口蓋が上がり気道が開く
起きているあいだは、この形が保たれています。粘膜が腫れていると、その余白が最初から少なくなります。

鼻の側で起きること

鼻の奥の粘膜も、煙で腫れます。鼻が詰まると、人は口で吸うようになります。口で吸うと下あごが下がり、あごにぶら下がっている舌の付け根も一緒に落ちて、のどの奥をふさぎます。つまり鼻の腫れは、鼻だけの問題で終わらず、奥の狭まりを連れてくる。たばこは、この鼻からの詰まりという入口にも一枚乗せてきます。ただし、鼻詰まりそのものをどう見分けてどう手を打つかは、時期のパターンまで含めて鼻詰まりいびきの記事の担当なので、この記事では中身に立ち入りません。ここで押さえるのは、煙が鼻の詰まりを足す一因になりうるという点だけにします。

やっかいなのは、吸っている本人ほど、この変化に気づきにくいことです。毎日その状態なので、それが自分の普通になっている。のどのいがらっぽさも、朝の痰も、年のせいや空気の乾燥のせいにして流してしまう。私がまさにそうでした。比べる相手がいないと、腫れている状態を腫れていると認識できません。だからこの記事の後半では、比べるための手順を一つ置きます。

妻
吸う本数を減らせば、すぐいびきも軽くなるものですか。
静山静山
そこは私には断言できません。粘膜の状態がどう戻るかは人によって差があるとされていますし、私は医者ではないので効果を約束する立場にありません。ただ、変わるかどうかを自分の記録で確かめる方法なら、この記事で書けます。

受動喫煙:そばにいる人の気道も、同じ煙を通る

たばこといびきの話で、私がいちばん見落としていたのが、この受動喫煙の側でした。吸っているのは自分でも、同じ部屋の空気を吸っているのは家族です。煙が気道の粘膜を刺激するなら、そばにいる人の鼻とのども、同じように刺激を受けます。

私が調べた範囲では、受動喫煙は、そばにいる人の鼻やのどの粘膜にも炎症を起こす方向に働くとされています。つまり、喫煙する人が家庭にいる場合、いびきをかきやすくなる方向の影響は、吸っている本人だけでなく、同じ空間で過ごす人にも及びうる、ということです。夫が吸っていて、妻のいびきが気になり始めた。逆に、家族の煙を吸い続けている人が、自分でもいびきをかくようになった。こういう重なりは、煙という共通の一因を挟むと説明がつきます。

夜ベッドで眠れない日本人
煙は、吸った人だけのものではありません。同じ部屋の空気を、隣の人も吸っています。
妻
私のいびきまで、あなたのたばこのせいってこと。
静山静山
そこまで言い切れる材料は私にはありません。ただ、煙がそばの人の鼻やのどにも触れているのは確かなので、少なくとも一因として並べる価値はあると思っています。責める話ではなく、二人で減らせる札がある、という話です。

この受動喫煙の視点が効いてくるのは、犯人を家庭の中の一人に押し付けずに済むところです。いびきを本人の体質の問題だけにすると、そこで話が止まります。ですが、煙という共通の一因があるなら、それは家の中で一緒に減らせる一枚になります。窓を開ける、吸う場所を決める、寝室に煙を持ち込まない。どれも、片方だけが我慢する話ではありません。

子どもがいる家庭では、この視点はもう少し重くなります。子どものいびきや鼻の詰まりには、大人とは違う背景が関わることがあるとされていて、様子見ではなく小児科や耳鼻咽喉科で見てもらう領域だと案内されています。私は自分の子の話はしませんが、家庭内の煙を減らすという一点は、大人の自分のいびき対策と、家族全体の気道の話が重なる、数少ない場所だと感じています。

就寝前の煙を空けて確かめる(観察の手順)

ここが、この記事の本命の手です。たばこがいびきに効いているかどうかは、頭で考えても分かりません。私がやってきたのは、就寝前の一定の時間だけ煙を空けて、その夜と、空けなかった夜を比べるという観察でした。禁煙そのものの手順ではありません。寝る前の時間帯だけを区切って、いびきとの連動を見るための実験です。

手順|就寝前の煙を空ける一週間

  1. 就寝前の時間帯を、自分で一つ決めます。たとえば寝る二時間前から。長すぎると続かないので、まずは短めで構いません。吸う人はその時間帯に吸わない、受動喫煙の側の人は、その時間帯だけ煙のある部屋・煙の残る場に近づかない、と決めます。
  2. その時間帯を守れた夜には、いつも付けているいびきの記録に、「空けた」と一語だけ足します。守れなかった夜には「空けなかった」と書きます。長い説明はいりません。二択だけです。
  3. 翌朝、いびきの音の記録と、のどの乾き・いがらっぽさを、その二択の横に並べます。録音を毎晩聞き返す必要はありません。朝のひと言メモで十分です。
  4. これを一週間ためて、「空けた」夜と「空けなかった」夜を縦に並べます。空けた夜のほうに、音の軽さや、のどの楽さが寄っているかを見ます。

回数の目安:就寝前だけ、まず一週間。1日1行、朝に1分。判断は一週間分がそろってから。

注意が三つあります。ひとつ、一晩で決めないこと。一晩の差は、その日の疲れやお酒でいくらでも動きます。一週間分をまとめて並べて、傾向として寄っているかを見てください。ふたつ、お酒を飲んだ夜には行の端に印を付けること。飲酒はそれだけで音を大きくするので、たばこのせいと取り違えます。みっつ、これは寝る前の時間帯を空ける実験であって、禁煙の指導ではありません。本数そのものを減らす・やめるという話は、体への影響も含めて私の担当の外です。必要なら、医療機関や薬剤師など、禁煙を専門に扱うところに相談してください。私は医者ではないので、ここで書けるのは、いびきとの連動を自分で確かめる手順までです。

静山 静山の実体験

私のケース:昔吸っていた頃のほうが朝ののどがひどかったと、やめてから気づいた

私は四十五歳、いびきの当事者です。医者ではないので、診断や治療の話はしません。ここに書けるのは、自分が何を見落としていたかだけです。

私はもともと吸う側の人間でした。吸っていた頃は、朝起きてのどがいがらっぽいのも、痰がからむのも、それが自分の普通でした。だから、いびきとたばこを結びつけて考えたことは、一度もありませんでした。いびきは体質、のどの不調は年のせい。別々の引き出しに入れて、それきりにしていたんです。

吸うのをやめたのは、いびきのためではなく、別のきっかけでした。それでも、しばらくして気づいたのは、朝ののどの感じが変わっていたことでした。起きたときのいがらっぽさが薄い。痰がからむ朝が減った。その違いに気づいてから、記録を昔にさかのぼって見返すと、吸っていた時期のほうが、朝ののどのメモが荒れていました。音そのものより先に、のどのコンディションのほうに差が出ていたわけです。やめて比べる相手ができて、初めて、吸っていた頃の状態が腫れていたのだと分かりました。比べる相手がいないと、人は自分の普通を疑えません。だから今は、この記事の手順のように、意図的に比べる夜を作っています。

妻
やめないと確かめられないんじゃ、ハードルが高いです。
静山静山
やめる必要はありません。私が勧めているのは、寝る前の時間帯だけ空けて比べる、という小さい実験です。一週間だけ、就寝前を区切ってみる。それだけでも、自分のいびきに煙が乗っているかどうかの見当はつきます。

\ 記録を型に変える /

いびきの音の記録に、就寝前の煙や飲酒、鼻の状態を紐づける30日分のフォーマットは気道力メソッドに入れてあります。たばこという一枚だけでなく、重なっている札をまとめて見張りたい方は、そちらを土台に使ってください。今夜は、就寝前を区切って一語足すところからで十分です。

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※18歳未満は登録できません

やめてから気づいたこと、そして受診の線

最後に、たばこといびきを並べたうえで、順番を飛ばしてほしくない話を書いておきます。

煙を空ける実験を一週間続けても、音がまるで変わらないことはあります。その場合、あなたのいびきの主役は、たばこ以外の札だという合図です。舌の付け根、のどの奥、あご、飲酒、加齢。どれが重なっているのかは、原因を全部並べたいびきの原因の記事で当たりを取り直してください。たばこは一枚であって、全部ではありません。一枚を空けて動かなかったなら、残りの札のほうが厚い、というだけの話です。逆に、空けた夜に音やのどの楽さが寄っていたなら、それは家庭で一緒に減らせる、動かしやすい一枚だということになります。

日中の眠気で目をこする男性
煙を空けても、昼の強い眠気が残るなら、それは別の合図です。

ここからが、いちばん先に確かめてほしい線です。眠っているあいだに呼吸が止まっていると家族に指摘されたことがある、あるいは、寝た時間は足りているのに日中の眠気が強くて、会議中や運転中に意識が落ちそうになる。このどちらかがあるなら、たばこを空ける実験より先に、医療機関へ相談してください。これらは睡眠時無呼吸症候群のサインとされているもので、自宅の工夫で様子を見る種類の話ではありません。煙を減らすことと、この受診は、別の順番の話です。どこへ行けばいいのかはいびきは何科を受診するかにまとめました。

もう一度書いておきます。私は医者ではありません。この記事で言えるのは、煙が気道の粘膜を腫らして、いびきの側に一枚を足しうる、というところまでです。それが病気の話に踏み込む線を越えたら、そこは私の担当ではなく、診てもらう領域になります。

妻
結局、今夜ひとつだけやるなら何ですか。
静山静山
就寝前の時間帯を一つ決めて、そこだけ煙を空けることです。守れたら「空けた」と一語書く。それだけで、一週間後に自分のいびきに煙が乗っているかどうかが見えてきます。手を打つのは、そのあとで間に合います。

私が吸っていた頃のいちばんの落とし穴は、腫れている状態を自分の普通だと思い込んでいたことでした。比べる相手がいなければ、人は自分の普通を疑えません。だから、丸ごとやめる前でも、就寝前の一時間を区切るだけで、比べる夜は作れます。今年のその一夜を書き始めれば、来週の自分が、それを読みます。たばこという一枚が自分の札に入っているかどうか、まずはそこから確かめてみてください。

\ 一枚を確かめたら、次は順番です /

たばこ・飲酒・鼻・姿勢・のどの力。重なった札をどの順番で、どれだけの強さで減らしていくか。その組み立ては気道力メソッドにまとめてあります。動かせる一枚が見つかった人から、順番の話へ進んでください。

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この記事を書いた人

静山

静山 |いびきスコア142点からの30日再現実験・進行中

静山(しずやま)/40代。長年の爆音いびきで家族に別室を言い渡されかけた当事者。いびきラボのスコア(開始時142点)を毎晩記録し、舌・喉・顎・呼吸の自宅トレ『気道力メソッド』で下げていく過程をすべて公開している。医者ではないので治療の話はしない。自宅でできることだけを、実測の記録つきで書く。

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