いびきで鼻の奥が鳴る|音の出どころが鼻側かの見分け方

いびきの音が、喉ではなく鼻の奥のあたりで鳴っている気がする。そう感じて調べ始めた方だと思います。
鼻の音にも二種類あります。鼻の入口で鳴る音と、その先の奥で鳴る音です。この記事では、音の出どころが鼻の奥のときにどう見分けるかだけを、起きているうちにできる形でまとめました。
この記事の目次
「鼻の奥が鳴る」の奥は、どこを指しているのか
いびきの音が鼻の奥から聞こえると感じたとき、最初に整理しておきたいのは、鼻の中が一本の細長い道だということです。小鼻の穴から入った空気は、まず入口のいちばん細いところを抜け、鼻の中の道を通り、喉の上のあたりに出ます。この出口側のあたりが、この記事で言う鼻の奥です。医学の言葉では上咽頭と呼ばれる場所にあたるとされています。

ここが分かれ目になります。同じ鼻の音でも、入口の細いところで鳴っているのか、道を抜けた奥のほうで鳴っているのかで、外への届き方が変わります。入口で鳴る音は顔の前のほうから聞こえ、奥で鳴る音は頭の中で反響しているように聞こえる、というのが私の実感です。家族が「鼻の奥が鳴っている」と言うとき、たいていは後者の聞こえ方を指しています。
もう少し奥へ進むと、口の天井のいちばん奥にある軟口蓋があります。鼻の奥と軟口蓋は隣どうしなので、音だけを頼りにすると境目が曖昧になります。だからこの記事では欲張らず、鼻の入口なのか、鼻の奥なのかという一本の線だけを引きます。鼻の奥と軟口蓋のどちらなのかという切り分けは口を閉じているのにいびきが鳴るときのほうが詳しいので、そちらに任せます。
音の全体像は、別の記事に置いてあります
低くガーガー響く音、こもった音、笛のような高い音。こうした音のパターン全体の見立てはいびき音の種類と原因に一覧でまとめてあるので、まだ読んでいない方はそちらが先です。この記事は、その一覧のうち鼻寄りだと当たりがついたあとを引き受けます。
なぜわざわざ入口と奥を分けるのか。理由は身も蓋もありません。手が届く範囲が違うからです。鼻の入口は、外から広げたり、洗ったり、乾かないようにしたりと、素人でも触れる場所です。ところが奥のほうは、指も道具も届きません。同じ鼻寄りという判定でも、入口なら今夜できることがあり、奥なら確かめ方と相談先の話に変わります。ここを分けずに鼻対策とひとくくりにしてしまうと、私のように何年も同じ売り場を往復することになります。
鼻の入口の音と、鼻の奥の音はここが違う
鼻の奥が鳴っているかどうかは、夜の音だけで決めなくても構いません。むしろ起きている時間に出ている手がかりのほうが、落ち着いて数えられます。私が使っている軸を並べます。横にスクロールできます。
| 見る軸 | 鼻の入口寄り | 鼻の奥寄り |
|---|---|---|
| 家族が感じる音の位置 | 顔の前のほうから聞こえる | 頭の中で反響しているように聞こえる |
| 起きているときの声 | 鼻をつまんだような声になる日がある | こもって抜けない声が一日じゅう続く |
| 朝いちばんの乾き | 鼻の穴のふちがカサつく | 鼻の奥から喉の上のあたりがひりつく |
| 鼻を強くかんだあと | その場でしばらく楽になる | かんでもあまり変わらない |
| 入口を広げるテープを貼った夜 | 通りも音も動く | 通りは楽になるのに、音だけ残る |
| 季節との連動 | 花粉や風邪の時期にはっきり増える | 時期に関係なく、うっすら続く |
この表は、当てはまった数の多いほうが勝ち、という読み方をするものではありません。私が重く見ているのは下から二行目です。入口を広げるテープで通りが良くなったのに、音だけが残る。これは、鳴っている場所がテープの届かない奥にあることを示す、いちばん分かりやすい材料だと考えています。どの道具がどこまで届くのかという話はいびき防止グッズの効果の対応表に整理されているので、買う買わないの判断はそちらに譲ります。

朝の乾く場所は、思っているより情報量があります
三行目の乾きについて、少しだけ足します。起きた瞬間に、口の中が乾いているのか、喉の真ん中がイガイガするのか、それとも鼻の奥から喉の上へ抜けるあたりだけがひりつくのか。ここは自分にしか分からない感覚で、しかも起きて数分で消えてしまいます。私は枕元のメモに、点数ではなく乾いた場所を一語だけ書くようにしました。唇、喉、鼻の奥。それだけで、あとから読み返したときに夜の傾向が見えてきます。
私のケース:音の出どころを口だと決めつけて、鼻を一度も疑わなかった話
いびきを言われ始めたころ、私は音の出どころを迷わず口だと決めていました。テレビでも雑誌でも、口が開いて舌の付け根が落ちる図ばかり見ていたからです。だから探す手も、口を閉じる方向のものばかりでした。鼻のことは、詰まったら口が開く、という前振りとしてしか見ていませんでした。
計測アプリで142点という数字が出たあとも、その決めつけは残ったままでした。鼻の入口を広げる道具は手元にあったのに、鼻の奥という場所は候補にすら入っていなかったのです。通っている自覚があったので、疑う理由を思いつけませんでした。
変わったのは、ある冬の朝です。目が覚めた瞬間に乾いていたのは、唇でも喉の真ん中でもなく、鼻の奥から喉の上へ抜けるあたりの一点でした。そこだけがひりついていて、声を出すと鼻に抜けきらない。そこで初めて、鳴っていたのは口の中ではなく、その手前かもしれないと思いました。
結論から言うと、私の音の主役は鼻の奥ではなく、もっと喉寄りでした。それでも遠回りの本体は、外れた候補のほうではなく、候補にすら入れていなかったことのほうだったと思っています。原因の場所を一つに決めてから探すと、決めた場所以外は視界に入ってきません。
起きているうちに、響いている場所を指でさがす
ここからが、この記事でいちばん書きたかったところです。夜の音は自分では聞けませんが、鼻の奥が響く場所として使えているかどうかは、起きているうちに確かめられます。やることは単純で、自分で小さく音を出して、震えている場所を指で拾うだけです。道具は要りません。
手順|鼻の奥の共鳴点をさがす
- 椅子に座り、背筋を伸ばします。唇は軽く閉じ、奥歯は噛み合わせないこと。顎と舌の力を抜きます。
- 鼻から3秒かけて、静かに吸います。ここで大きく吸い込まないでください。狙いは換気ではなく観察です。
- 唇を閉じたまま、低めの「んー」を5秒。隣の部屋に聞こえない程度の小ささで十分です。
- 声を出しながら、人差し指の腹を3か所へ順に当てます。①小鼻の脇、②鼻筋の中ほど、③目頭と目頭のあいだ。それぞれ3秒ずつ、どこがいちばん震えるかを覚えます。
- いったん力を抜いて、普通の呼吸に戻します。5秒を3回で1セット、1日1〜2回まで。
読み取り方
- ①小鼻の脇がいちばん強い/入口のあたりで空気が引っかかっている可能性があります。
- ③目頭のあいだまではっきり響く/奥まで空気が届いて共鳴しています。鼻の奥が今は使えている状態です。
- どこもぼんやりして、音が喉の下のほうへ落ちる/その日は鼻の奥が細くなっている可能性があります。左右のどちらかだけが理由のこともあります。
ひとつ念を押しておきます。1回の結果で決めるための手順ではありません。大事なのは、いつもと違う日が自分で分かるようになることです。私は朝起きたときと寝る直前の2回、同じ椅子で同じ姿勢でやるようにしています。朝より寝る直前のほうが響きが浅い日は、その夜は鼻の奥が細くなっている、というのが私なりの目印です。逆に一日じゅう③まで響いているのに音は鳴っているのなら、主役は鼻の奥ではないほうに寄っていきます。

注意
- 鼻をつまんだまま強く息を送り出す、いわゆる耳抜きの動きはしないでください。耳のほうへ圧がかかります。
- 耳が詰まる感じ、耳の奥の痛み、めまいが出たら、その場でやめてください。
- 風邪をひいている時期や、中耳炎・副鼻腔炎を指摘されている時期は行いません。
- 声を張らないこと。大きな声で長く続けると喉のほうが疲れて、判定が濁ります。
私は医者ではありません。ここに書けるのは診断ではなく、自分の音の出どころを絞り込むために家でやっている観察だけです。鼻の中を実際に見て判断できるのは耳鼻咽喉科だけで、そこには最初から線を引いています。
\ 場所が絞れたら、順番の話です /
響く場所に当たりがついたあと、どこから手をつけてどう積み上げるかという組み立ては気道力メソッドにまとめています。今日は、いちばん響いた1か所を覚えて帰れば十分です。
教材の内容を見る※18歳未満は登録できません
見分けを外す3つの落とし穴
ここは私が実際に踏んだ順に書きます。どれも、見分けそのものより手前でつまずく話です。

落とし穴1|一晩の結果で結論を出す
鼻の通りは、その日の気温、湿度、疲れ、飲んだかどうかで簡単に動きます。前の晩は奥まで響いたのに、今夜はまるで響かない。これは珍しいことではなく、鼻の粘膜の腫れ方が姿勢や時間帯で変わるとされているからです。だから一晩ぶんの手応えを、そのまま自分の答えにしないでください。私は最低でも2週間、朝と寝る前の記録をためてから傾向を見るようにしています。比べるのは日ではなく、週です。
落とし穴2|左右をまとめて一つの答えにする
鼻は左右で状態が違います。片方だけ細ければ、平均すると通っているように感じるのに、夜は細いほうが主役になります。左右差そのものの確かめ方と、姿勢を変えたときの差の見方は口を閉じているのにいびきが鳴るときに手順ごと書いてあるので、そちらでやってください。私が言いたいのは一点だけで、共鳴点さがしの結果が日によってばらつくときは、まず左右差を疑うということです。
落とし穴3|記憶と印象だけで判定する
これがいちばん多いと思います。家族の「うるさかった」と、自分の「たぶん鼻だと思う」を足し算しても、出どころは決まりません。私も2年ぶん、この足し算だけで買い物をしていました。音そのものは録っておくのがいちばん早いのですが、自分の録音を再生するのは、正直かなりつらい作業です。その心理的なハードルの越え方と、何を聞き取ればいいのかはいびき録音アプリの聞き方にまとめてあります。10秒だけ聞いて閉じても構いません。
おまけ|奥だと分かっても、原因が一つに決まるわけではありません
鼻の奥が細いと分かったとして、そこだけを直せば静かになる、という話にはなりにくいです。鼻で吸いきれない夜は口が開き、口が開けば顎が下がって舌の付け根も落ちます。出発点が鼻でも、着地点が喉になっている構図はよくあります。だから私は、犯人を一人に決めるのをやめました。主役と脇役を並べて、動かせるほうから動かす。これが、遠回りしたあとに残った方針です。この動かせる札と動かせない札の並べ方を、男の生活に絞って筋量・酒・仕事・体格の四枚に仕分けたのが男のいびきの原因を並べ直した記事です。
鼻の奥だと当たりがついたあと、何をするか
順番を整理して終わります。やることは3つだけです。
- 共鳴点さがしを、朝と寝る前に2週間。点数は要りません。①②③のどれが強かったかを一語ずつ残します。
- 夜の音を数晩ぶん録る。聞くのは全部でなくて構いません。
- その2つを並べて、響きの浅い日と音の大きい日が重なるかを見る。重なるなら、鼻の奥は主役の候補として濃くなります。
ここまでやっても、白黒はっきりつかないことのほうが多いです。それでも、鼻の入口の道具を買い足す手は止まります。私にとっては、それだけでも十分な収穫でした。私の記録の残し方は記録カテゴリに、良い日も悪い日もそのまま置いてあります。
この音が入っていたら、順番が変わります

録音のなかに、いびきがふっつり止まって無音が続き、そのあと大きく息を吸い直す音が入っていたら、鼻の奥かどうかという話はいったん置いてください。睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある、しっかり寝たはずなのに日中の眠気が強く、会議中や運転中に意識が落ちそうになる。このどちらかに当てはまる場合も同じです。睡眠時無呼吸症候群の可能性があり、これは自宅の観察で様子を見る話ではありません。呼吸器内科、耳鼻咽喉科、睡眠外来が窓口になります。録音があるなら持って行ってください。
私の録音には、低く長く引きずる音は入っていましたが、呼吸が止まる無音は入っていませんでした。だから自宅でのケアを選べています。そこが逆だったら、共鳴点をさがす前に予約を取っていました。判断に迷うなら、迷った時点で相談する側へ倒すほうが早いです。
音の出どころを言い当てることが目的ではありません。目的は、次に触る場所を1つに減らすことです。鼻の入口なのか、鼻の奥なのか。そこが決まれば、少なくとも売り場を往復する夜は終わります。私はここに気づくまでに、ずいぶん長い時間を使いました。
