いびきと枕の高さ|タオルで試す自宅調整の手順

枕を替えればいびきが減るのか。値段を見て止まったまま、私も何年か過ごしました。
結論から書きます。高さは高すぎても低すぎても不利に働きます。数千円の枕を先に買わず、家にあるバスタオルで1目盛りずつ試すのが安全です。目安は、横になったとき頭が背骨と一直線になる高さです。
この記事の目次
枕の高さでいびきが変わるのは、気道の角度が変わるから

同じ人が枕を替えて、音が変わる人と、まったく変わらない人がいます。私が調べた範囲では、その差は枕の値段ではなく、高さが自分の体に合っているかどうかで説明されることが多いようです。
枕がやっているのは、頭を持ち上げることではありません。首の角度を一晩ぶん固定することです。首の角度が変われば、喉から肺へ向かう空気の通り道の形も変わります。ここが変わるから、音が変わります。逆に言えば、高さを触っても首の角度が変わらない使い方をしているうちは、何も起きません。
高すぎる枕。顎が引けすぎて、喉が折れる
枕が高いと、顎が胸のほうへ押し込まれ、首の前側が折れた状態で固定されます。ホースを折り曲げると水が細くなるのと同じで、空気の通り道も細くなります。朝起きたときに首の後ろや肩が張っている。枕に頭を乗せた瞬間、座っているときより息が入りにくい気がする。この2つは、高いほうに外れているときのサインだと私は考えています。
低すぎる枕。顎が上がって、舌が喉に落ちる
逆に低すぎると、顎が天井を向きます。喉の前側が伸びて口が開きやすくなり、ゆるんだ舌の付け根は真下、つまり喉の奥へ向かって落ちていきます。舌落ちタイプの条件を、枕のほうから作ってしまう状態です。朝、口の中がからからに乾いて目が覚めるなら、こちら側に外れている可能性があります。

そもそも上を向くとなぜ舌が落ちて鳴るのか、その仕組みと上を向く時間を減らすという考え方は仰向けでいびきをかく理由の記事に掘り下げてあります。
「枕なしで寝る」は、いびきに効くのか
枕なしは、高さの調整としては「いちばん低い」に振り切った状態です。肩幅が薄い人や、マットレスが柔らかくて肩が深く沈む人なら、たまたまそこが合うこともあります。ただ多くの人にとっては顎が上がる方向なので、低すぎ側の不利をそのまま受けることになります。試すなら特効薬としてではなく、上げる下げるの候補の1つとして混ぜるくらいがいいと思います。
どちらの方向に外れているかは、人によって違います。上げる方向と下げる方向のどちらを先に試すかは、自分のいびきがどのタイプ寄りかで決まります。判断のためのセルフテストはいびきの原因タイプ診断にまとめてあります。
何cmが正解か。目安は「頭が背骨と一直線」
「高さの目安は何cmか」に、先に答えます
枕を探すと、低め・標準・高めという表記や、目安の数字を見かけます。先に正直なところを書くと、私が売り場とネットで見た範囲では、その数字は商品ごとにばらつきがあり、そのまま自分の正解として使える形にはなっていませんでした。
理由ははっきりしています。同じ高さの枕でも、肩幅と首のカーブが違えば首の角度は変わります。敷いているマットレスの沈み込みが違えば、さらに変わります。つまりcmは枕の情報であって、あなたの首の角度の情報ではありません。
だから数字は参考程度にとどめて、代わりに自分の体で測れる基準を1つ持つほうが早いです。私が使っているのはこれだけです。横になったとき、頭が背骨と一直線になっているか。首だけが前に折れていたり、後ろに反っていたりしなければ、大きくは外していません。

仰向けのときに確かめる3点
- 顔の面が、ほぼ水平か、ごくわずかに足元寄りを向いているか。天井を真上に見上げる形になっていたら、低いほうに外れています。
- 喉に詰まる感じがないか。枕に頭を乗せたまま、ゆっくり口から息を吸ってみます。座っているときより明らかに吸いにくければ、高いほうに外れています。
- 首の後ろに隙間が空いていないか。後頭部だけが支えられて首が浮いていると、寝ている間に顎が上がっていきます。タオルを細く丸めて首の下だけに入れると埋まります。
マットレスの硬さで、同じ枕でも高さは変わる
見落としやすいのがこれです。柔らかい敷布団やマットレスは肩と背中が沈むので、同じ枕でも相対的に高くなります。硬い寝床では沈まないぶん、同じ枕が低く感じます。枕だけを単体で見ずに、いま寝ている寝床とセットで判断してください。
実家に帰ったときや出張先で自分のいびきが変わるのは、枕が違うからだと思われがちですが、寝床の硬さが同時に変わっているからでもある、と私は考えています。旅先で試した結果をそのまま家に持ち帰らないほうがいいのは、このためです。
バスタオルで1cm刻み。数晩ずつ試す手順
ここが本題です。いびき用の枕を買う前に、家にあるものだけで同じ検証ができます。用意するのはバスタオル2枚から3枚と、いま使っている枕だけです。

手順
- 先に、いまのままで3晩ようすを見る。いじる前の状態を覚えておかないと、上げて良くなったのか下げて良くなったのかを判定できません。計測アプリも使うなら、置き方をそろえる決まりをいびきラボの使い方にまとめています。
- 動かす方向を1つだけ決める。喉が詰まる感じがあるなら下げる。朝の口の渇きが強く、顎が上がっている感じがあるなら上げる。両方を同時に触ると、何が効いたのか分からなくなります。
- バスタオルを四つ折りにして、これを1目盛りとする。うちのタオルを四つ折りにして測ったら、頭を乗せてつぶれた状態で1cmほどでした。厚みはタオルによって違うので、正確な1cmを狙う必要はありません。同じ折り方の同じ1枚を足し引きすること、それだけを守ってください。
- 枕の上ではなく、枕の下に敷く。上に載せると、首に当たる面の感触や滑りやすさまで変わってしまい、高さだけの比較になりません。下げたいときは、枕をやめてタオルだけを重ねる方向で刻みます。
- 1つの高さで最低3晩、できれば1週間続ける。いびきは日によって大きく揺れます。1晩で決めると、飲んだ日と疲れた日の差を枕の効果と取り違えます。
- メモを1行だけ残す。お酒、強い疲れ、鼻づまり。この3つだけ書いておけば、荒れた夜の理由が後から説明できます。
判定は、朝の口の渇きと、家族の一言で
高さが合ったかどうかを、その晩のうちに知る方法はありません。私が判定に使っているのは2つだけです。朝起きたときに口の中が乾いているか。そして、隣で寝ている家族に「昨日はどうだった」と聞いた答え。この2つなら毎朝手に入りますし、合わなければタオルを抜いて元に戻せるので、裏も取れます。
計測アプリを併用している人も、単日の数字だけで枕の良し悪しを決めないでください。数字は週の並びで見るものです。1晩の上下で高さを行ったり来たりさせると、何が効いたのか永久に分からなくなります。
私のケース:バスタオル1枚で、朝の口の渇きが軽くなった
いびきスコアが142点だったころ、私は結婚したときに買った枕をそのまま10年以上使っていました。へたって薄くなっているという自覚すらありませんでした。
方向を決めるのは簡単でした。毎朝、口の中がからからに乾いて起きていたからです。顎が上がって口が開いている、と当たりをつけて、バスタオルを四つ折りにして1枚だけ枕の下に入れました。数晩続けたところ、朝の口の渇きがはっきり軽くなりました。妻に聞いても、その週は「昨日はましだった」と言う日が混ざるようになりました。
調子に乗って2枚に増やした夜は、今度は首の前がつまる感じで夜中に目が覚めました。私の場合は、1枚がちょうどでした。費用はゼロです。合わなければ、タオルを抜いて元に戻すだけで済みます。
\ 高さが決まったら、次は喉です /
枕で姿勢を整えたら、次は塞がりにくい喉そのものを作る番です。私が自宅で続けている手順は気道力メソッドにまとめました。
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タオルで見当をつけてから、枕にお金を払う
そのうえで、高さ調整枕にお金を払う価値がどこにあるかも書いておきます。私が見ている限り、値段の理由は3つです。中材を出し入れして高さを細かく変えられること。頭を乗せる中央と、横向き用の左右で高さが違う構造になっていること。そして、毎晩同じ高さを再現できること。
3つ目が、実はタオルの弱点そのものです。タオルは寝返りで形が崩れますし、朝には枕の下からずれています。夏は熱もこもります。だからタオルは「正解の高さを探す道具」としては優秀で、「正解の高さを毎晩再現する道具」としては不便です。
順番にすると、こうなります。タオルで自分の1目盛りと方向を確かめる。それから、その高さを再現できる枕を選ぶ。逆にすると、私のように3日で引き出し行きです。ただし売り場には狙いの違う型が混ざっているので、どの型にお金を払うかはいびき枕4タイプの違いで構造ごとの得意と弱点を見てから決めてください。
横向きのときは、必要な高さが変わる
仰向けで合わせた高さは、横向きでは低すぎます。横になると、肩の厚みぶんだけマットレスから頭までの距離が増えるからです。ここが埋まっていないと、首が下向きに折れた状態で一晩を過ごすことになります。横向き中心の人は、仰向け用より1目盛りから2目盛り高いところに正解があると思って探してください。
両方で使いたいときの手は1つあります。四つ折りタオルを枕の下の左右にだけ1枚ずつ差し込み、中央はそのままにする形です。仰向けのときは低い中央に頭がおさまり、横を向いたときだけ高い端に乗ります。
横向きそのものの作り方、つまり体の丸め方や顎の引き方、朝には仰向けに戻ってしまう夜の工夫はいびきと寝方の担当です。ここでは高さの話に絞ります。
頭側ごと傾ける方法と、その限界
枕ではなく、上半身ごと角度をつけるやり方もあります。マットレスの頭側の下に畳んだ毛布を差し込む、ベッドフレームの頭側を上げる、といった方法です。首だけを折り曲げずに全体を傾けられるのが利点で、私が調べた範囲では、胃の逆流などを理由に医師から勧められる場面もあるようです。
ただ、私はここに手を出していません。理由は3つあります。夜のうちに体が足元へずり落ちて、朝には傾斜の意味がなくなりやすいこと。腰の一点に負担が集まりやすいこと。そして同じベッドで寝ている家族まで一緒に傾けてしまうことです。枕とタオルで高さを出し切ったあとの、次の手だと考えています。
枕でできること、できないこと
正直に書きます。枕は姿勢の道具です。首の角度は変えられますが、気道の塞がりやすさそのものは変えません。
眠って喉の筋肉がゆるむこと、舌の付け根が落ちること、鼻がつまっていること。この3つは、枕をどれだけ精密に合わせても、そこにあり続けます。首のまわりについた厚みも同じで枕の高さでは動かせない側にあり、体重が音にどこまで関わるのかは太っていても痩せていても鳴るのはなぜかに分けて書きました。だから高さを合わせて楽になった人でも、疲れた日や飲んだ日には戻ります。私の場合もそうです。
枕を最大限に効かせても届かない部分がある、という前提で使うのが正解だと私は考えています。この話はグッズ全般に共通するので、買う前の判断軸はいびき防止グッズは効果ある?にまとめました。
その前に、確かめてほしいこと

眠っている間に呼吸が止まっていると家族から指摘されたことがある。しっかり寝たはずなのに日中の眠気が強く、会議中や運転中にうとうとする。このどちらかに当てはまるなら、枕の高さを触る前に、呼吸器内科や耳鼻咽喉科、睡眠外来で一度相談してください。睡眠時無呼吸症候群は医師の診断と治療が必要な状態で、私は医者ではないので、ここから先の話はしません。
該当しなければ、今夜からできることは決まっています。バスタオルを1枚、四つ折りにして枕の下に入れる。それだけです。合わなければ抜けばいい。私の場合は、ここが最初の1目盛りでした。
