ホーム原因診断風邪・鼻炎のいびきは一時的?慢性との見分けと観察の手順

風邪・鼻炎のいびきは一時的?慢性との見分けと観察の手順

風邪・鼻炎のいびきは一時的?慢性との見分けと観察の手順

風邪をひいた週だけ、家族にいびきを指摘される。よくなると、言われなくなる。私にも、その時期がありました。

先に整理します。風邪や鼻炎で一時的に鳴るいびきと、もとからある慢性のいびきは、別のものが重なっています。この記事では、その二つを時間の流れで見分ける方法と、よくなったら止まるかを観察する手だけを置きます。

この記事の目次
  1. 風邪や鼻炎の週だけ鳴るのは、なぜか
  2. 一時的か慢性かを、時間の流れで見分ける
  3. 「よくなったら止まるか」を観察する手順
  4. 「風邪のせい」で片づける前に
  5. 風邪の最中でも、よくなるのを待たない2つのサイン
  6. 見分けがついたら、次にやること

風邪や鼻炎の週だけ鳴るのは、なぜか

まず、なぜ風邪や鼻炎の時期だけ音が変わるのかを短く整理します。風邪をひくと、鼻やのどの粘膜が腫れます。腫れた分だけ空気の通り道が細くなり、細いところを空気が速く通ると、まわりのやわらかい組織が震えて音になります。花粉やハウスダストで起きる鼻炎も、粘膜が腫れるという点では同じ方向に働きます。

仰向けで口を開けて眠る日本人男性
鼻で吸い切れない夜は、こうなります。出発点は鼻でも、音の出どころは奥に移ります。

やっかいなのは、鼻が細くなるとそこで話が終わらないことです。鼻から吸える量が足りないと、体は足りない分を口から取りにいきます。口が開けば下あごが下がり、舌の付け根も一緒にのどの奥へ寄る。出発点は鼻なのに、鳴っている場所はのどの奥、という夜ができあがります。この鼻から奥への連鎖そのものは鼻づまりで鳴る夜に今夜できることのほうに詳しいので、ここでは深入りしません。

この記事で大事なのは、その次です。風邪や鼻炎で増えた分は、症状がおさまれば引いていきます。一時的に一枚だけ札が増えて、よくなったら戻る。これが、風邪いびきという現象の素直な姿です。いびきは一つの原因で決まらず、いくつかの要因が重なって初めて音になる、という土台の話はいびきの原因を全部並べるにまとめてあるので、そこは譲ります。ここでは、重なった札のうち風邪の一枚だけを、時間で見分けます。

妻
風邪をひいた時だけなら、放っておいていいですか。
静山静山
その見立てが正しいなら、風邪がよくなるのを待つのが筋です。ただ、本当に風邪の一枚だけなのか、もとから鳴っていたのかは、分けて確かめないと分かりません。そこを次で見ます。

一時的か慢性かを、時間の流れで見分ける

一時的ないびきと慢性のいびきは、音を聞いただけでは区別がつきません。どちらも同じように鳴るからです。分けられるのは、音そのものではなく時間の並び方のほうです。私が使っている見分けの軸は三つあります。

軸1|始まりが、風邪と重なっているか

いちばん強い手がかりは、いつから鳴りはじめたかです。鼻がつまりだした日と、家族に指摘された日が重なっているなら、風邪の札が乗っている可能性が高い。逆に、風邪をひく前から言われていたなら、土台のいびきが先にあって、風邪はそれを大きくしているだけ、という並びになります。ここは自分の記憶よりも、同じ部屋で寝ている人の記憶のほうが当てになります。

軸2|よくなったあと、指摘が消えるか

これが本題です。風邪がおさまり、鼻の通りが戻ったあとに、家族の指摘も消えるかどうか。消えるなら一時的、残るなら慢性が土台にあった、という切り分けになります。ただし、風邪がよくなった当日に判定しないでください。粘膜の腫れは症状が引いてからも数日残ることがあるとされていて、よくなった直後はまだ札が乗ったままのことがあります。ここは次の章で、観察の間隔として具体的に決めます。

軸3|音の質が、時期で変わるか

風邪の時だけ、いつもと違う詰まった音になる人がいます。ふだんは低く引きずる音なのに、鼻がつまった週だけ、鼻にかかった苦しそうな音に変わる。この質の変化があるなら、風邪の分は上乗せだと見当がつきます。逆に、風邪でもふだんでも同じ質の音なら、鳴っている場所が風邪に左右されていない、つまり土台側の音だと考えられます。ただし、変わった先が細く高いヒューという音で、明け方の息苦しさや咳をともなうなら、いびきの質の変化ではなく別の音が混じっているのかもしれないので、喘息のヒュー音といびきの見分け方で分けてから数えてください。

妻
そういえば、鼻声の時だけ音がひどい気がする。
静山静山
それは大きな手がかりです。時期で質が変わるなら、風邪の分は分けて数えられます。よくなったら、その分は引くはずですから。

この三つの軸は、どれか一つで決めるものではありません。始まりが重なっていて、よくなったら消えて、音の質も時期で変わる。三つがそろえば一時的だと言い切りやすくなりますし、始まりが風邪より前で、よくなっても残るなら、慢性の土台があると見たほうがいい。ここで無理に片方に決めず、両方が混ざっているという結論も、ふつうにあり得ると思っておいてください。私自身がそうでした。

「よくなったら止まるか」を観察する手順

ここまでの軸を、頭の中だけで判定しようとすると、たいてい印象で流れます。風邪の記憶も、家族の指摘も、一週間もすれば曖昧になるからです。だから私は、風邪をひいたときに一枚だけ紙を作って、そこに○と×を並べるようにしました。道具も費用もいりません。

ナイトテーブルの水と時計
観察に使うのは、枕元の紙一枚と日付だけです。点数はここでは見ません。

手順|風邪いびきの「よくなったら止まるか」観察

  1. 風邪や鼻炎の症状が出た初日に、日付と、その日の症状を一行だけ書きます。鼻づまり、のどの腫れ、熱、のように、当てはまるものを並べるだけで構いません。
  2. その夜から、音があったかなかったかを○×だけで記録します。点数や大きさは、ここでは見ません。見るのは有無だけです。判定は、同じ部屋で寝ている人の一言か、枕元の録音を朝に早送りで確認する形で足ります。
  3. 毎晩やる必要はありません。2〜3日おきに1回で十分です。毎朝聞き返すと、家族を採点係にしてしまいますし、自分も続きません。
  4. 症状がおさまった日に、はっきり印をつけます。ここが基準の線になります。
  5. 基準の線から、さらに2週間、同じ間隔で○×を続けます。粘膜の腫れが引き切るまでの余白を見るためです。

回数の目安:1回の記録は10秒、2〜3日おき、よくなってから2週間まで。

読み方は単純です。基準の線を境に×(鳴らない夜)に戻っていくなら、そのいびきは風邪の一時的な上乗せだった、と考えられます。おさまってからも○(鳴る夜)が並び続けるなら、風邪は引き金で、土台には慢性のいびきがある、という見立てになります。

注意が二つあります。ひとつ、観察している間は、新しいグッズや対策を足さないこと。途中で何かを足すと、よくなったのが風邪のおかげなのか、足したもののおかげなのか分からなくなります。分けて確かめるための観察なので、この期間だけは手を止めてください。ふたつ、風邪薬や市販の点鼻薬を、この観察のために増やしたり止めたりしないこと。薬の使い方は私の担当ではありません。ふだんどおりにして、飲んだ日があればその一行だけ書き足しておきます。

私はこの○×を、点数の記録とは別の紙に分けています。点数は大きさの記録で、○×は有無の記録なので、混ぜると読みにくくなるからです。記録の残し方そのものは記録カテゴリにまとめてあります。

\ 観察のあと、土台に手を入れるなら /

よくなっても残った慢性の分に、どの順番で手をつけるか。原因のタイプごとの組み立ては気道力メソッドにまとめてあります。今はまず、風邪の一枚を分けて数えるところまでで十分です。

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「風邪のせい」で片づける前に

この観察をすすめる理由は、じつは逆側にあります。風邪いびきという言葉は、慢性のいびきを見逃す言い訳になりやすいからです。

夫のいびきで妻が耳をふさぐ日本人夫婦
指摘が減った時期の音を、隣の人も本人も見ていない。そこに慢性が隠れます。

毎年、風邪や花粉の時期になると家族に指摘される。よくなると言われなくなる。これを何年も繰り返していると、自分のいびきは風邪の時だけのもの、という物語ができあがります。ところが観察してみると、よくなったあとも○が完全には消えていない、ということが起こります。指摘が減っただけで、鳴ってはいた。季節の谷間の、指摘されない時期の音を、誰も見ていなかっただけです。

妻
毎年のことだから、風邪のせいだと思っていました。
静山静山
私も長くそう処理していました。よくなれば言われないので、確かめる機会がなかったんです。○×を並べて初めて、谷間の夜も鳴っていたと分かりました。

もう一つ、逆の取り違えもあります。風邪がよくなったタイミングと、たまたま飲み会のない週や、よく眠れた週が重なると、対策が効いたように見える。実際には風邪の札が引いただけなのに、別の何かの手柄にしてしまう。単発の週で判定すると、この取り違えから抜けられません。だから観察は、よくなってからの2週間まで伸ばします。

静山 静山の実体験

私のケース:風邪の週だけ指摘され、よくなると止まった

私は45歳、いびきの当事者です。医療者ではないので、診断や治療の話はしません。ここに書けるのは、自分が何を見落としていたかだけです。

数年、私は自分のいびきを季節のものだと思っていました。冬に風邪をひいた週や、鼻がぐずつく時期になると、妻に音を指摘される。よくなると、何も言われなくなる。だから、いびきは体調が崩れた時だけのもので、ふだんは鳴っていないのだと信じていました。買い足したグッズも、決まってこういう時期に増えていました。

考えが変わったのは、風邪の週の音と、よくなったあとの音を、続けて記録してみたときです。妻に指摘された週は、確かに音の有無の記録が○ばかりでした。ところが風邪がおさまっても、○は完全には消えませんでした。指摘が減っただけで、2日おきに見ると鳴っている夜が残っていた。妻が黙っていたのは、以前より軽かったからで、止まっていたからではなかったわけです。

初回に計測アプリで出た数字は142点でした。その数字は風邪の時期ではなく、ふだんの夜に出たものです。つまり土台のほうが先にあって、風邪はそこに乗る一枚だった。一時的な分と慢性の分は、混ざっていたけれど別ものでした。それを分けて見られるようになったのが、この観察を始めてからの、いちばん大きい変化でした。

見分けの結論は、たいてい白黒ではありません。私の場合は、土台に慢性のいびきがあって、そこに風邪や飲酒や疲れが、その日ごとに乗ったり降りたりしている、という形でした。風邪の週に音がひどくなるのは本当で、よくなれば軽くはなる。でも、ゼロには戻らない。このゼロに戻らない分こそが、手を入れる価値のある土台です。風邪の一枚に隠れて、その土台を何年も見送ってきた、というのが正直なところでした。

風邪の最中でも、よくなるのを待たない2つのサイン

ここまでは、風邪の一枚を分けて数える話でした。最後に、その数え方より優先される話を置きます。風邪の最中であっても、次の二つのどちらかがあるなら、よくなるのを待つ順番ではありません。

  • 眠っているあいだに呼吸が止まっていると、家族に指摘された。いびきの途中で音が消え、しばらくしてから大きく吸い直す音が入る、という形です。
  • 寝たはずなのに、日中の眠気が強い。会議中や運転中に意識が落ちそうになる、という強さのものです。
日中の眠気で目をこする男性
ここに当てはまるなら、風邪がよくなるのを待つ側の話ではありません。

この二つは、睡眠時無呼吸症候群のサインとされているものです。風邪で一時的に悪くなっているだけに見えても、その裏で呼吸が止まっているなら、風邪とは別の軸の問題です。よくなるのを待つあいだに見送ってよいものではありません。当てはまるなら、○×の観察より先に、医療機関へ相談してください。どの科へ行けばいいか、どんな検査があるかはいびきは何科を受診するかにまとめてあるので、そちらへ進んでください。

もう一度書いておきます。私は医者ではありません。この記事に書けるのは、一時的か慢性かを自分で見分けるための観察までです。呼吸が止まっているかどうかの判定は、観察では引けません。自分の録音を聞くときは、音の大きさよりも、無音のあとに大きく吸い直す音が入っていないかを探してください。私の録音は低く引きずる音が続いているだけで、その無音は入っていませんでした。だから自宅でできる範囲を選べています。逆にそこが入っていたら、風邪がよくなるのを待たずに受診していました。

妻
風邪でつらいだけだと思っていたのに、少し不安になってきました。
静山静山
不安を煽りたいわけではありません。ただ、風邪という説明で全部を片づける前に、この二つだけは確かめておくと落ち着きます。当てはまらなければ、観察に戻って大丈夫です。

見分けがついたら、次にやること

観察が終わって、自分のいびきが一時的なのか慢性なのか、見当がついたとします。そのあとの動きは、結論によって分かれます。

風邪の一時的な上乗せだった場合は、やることは多くありません。風邪や鼻炎そのものへの対処が中心になります。鼻の通りを今夜のうちに楽にする手は鼻づまりで鳴る夜に今夜できることにまとめてあるので、症状が出ている時期はそちらを使ってください。症状が抜ければ、音も軽くなっていくはずです。

問題は、よくなっても○が残った場合です。これは、風邪の一枚を引いても土台のいびきが残っている、ということです。土台には、風邪では説明できない原因が乗っています。姿勢か、のどと舌の力か、鼻そのものの構造か。どれが効くかは人によって違うので、順番を決めてから手をつけないと、また買い足しに戻ります。私が二年、そこで足踏みしていました。

朝日のカーテンと整ったベッド
私が最初に目印にしたのは、朝起きた瞬間の、のどの渇き方でした。
妻
結局、風邪のせいなのか、そうじゃないのか、今日で決めたいんですが。
静山静山
今日ひと晩では決まりません。ただ、今日から○×を並べはじめれば、2週間後には見当がつきます。決めるための材料を、今夜から貯めはじめる、という一日にしてください。

最後に、私が自分に言い聞かせていることを書いておきます。風邪いびきという言葉は、便利すぎて危ういところがあります。よくなれば消えるので、確かめないまま毎年やり過ごせてしまう。でも、確かめてみると、消えていない年が混じっていることがあります。一時的だと分かればそれで安心できますし、慢性だと分かれば、そこが手を入れる出発点になります。どちらに転んでも、分けて数えた分だけ、次の一手がはっきりします。

\ 土台が残っていた人へ /

よくなっても残った慢性のいびきに、姿勢・鼻・のどと舌のどれから手をつけるか。タイプ別の組み立てと30日の回し方は気道力メソッドにまとめました。私が風邪のせいにして見送っていた土台に、順番に手を入れるための手順書です。

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この記事を書いた人

静山

静山 |いびきスコア142点からの30日再現実験・進行中

静山(しずやま)/40代。長年の爆音いびきで家族に別室を言い渡されかけた当事者。いびきラボのスコア(開始時142点)を毎晩記録し、舌・喉・顎・呼吸の自宅トレ『気道力メソッド』で下げていく過程をすべて公開している。医者ではないので治療の話はしない。自宅でできることだけを、実測の記録つきで書く。

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