テレビで見たいびき対策は続くのか|三日でやめた私の検証

テレビでいびきの特集を見た翌朝、私は何度もやる気になりました。そして何度も三日でやめました。
先に結論を書きます。メディアで紹介される対策は、効かないから残らないのではありません。手軽そうに見えるぶん、続ける仕組みを作らないまま始めてしまうから消えます。この記事は、続くかどうかで見る視点の話です。
この記事の目次
テレビで見た対策は、なぜ翌朝はやる気になるのか
健康番組でいびきの特集が組まれると、翌日この手のページのアクセスが動くそうです。私も何度もその一人でした。ためしてガッテンのようないびきを扱った番組を見た夜は、明日からやってみようと本気で思う。ところが一週間後には、何を見たのかもうろ覚えになっている。この落差から書き始めます。

先に断っておきます。私は医者ではありません。いびきの当事者として、自分で計測しながら家で対策を試している側の人間です。だからここで書くのは、番組が正しいか間違っているかの判定ではありません。番組で見た対策を、自分が続けられたかどうか、という一点だけです。番組の内容そのものを長く引き写すつもりもありません。要点は自分の言葉で短く置いて、あとは続くかどうかの話に絞ります。
テレビの対策が魅力的に見える三つの理由
なぜ翌朝はあれほどやる気になるのか。自分を振り返ると、理由はだいたい三つに絞れました。
- お金がかからない。体操や姿勢の工夫が多く、今夜から道具なしで始められる。財布を出す手間がないぶん、始める側のハードルは低く見えます
- 短い時間で紹介される。限られた放送尺で伝えるために、手順はぎゅっと縮めて見せられます。だから見ている側は、簡単で短いものだと受け取ります
- 体験談がついてくる。やってみたら変わった、という声が添えられると、自分もそうなる気がしてきます
三つとも、悪いことではありません。無料で今夜から始められるのは、本来ありがたい話です。ただ、この三つがそのまま裏返しになると、続かない理由に変わります。お金を払っていないから、やめても損した気がしない。短く見えたぶん、実際に続ける手間との差にがっかりする。他人が変わった話は、自分が変わらないときに効かないという結論を早めます。魅力の正体と、脱落の正体が同じところにある。ここが最初のねじれです。
「手軽そう」に見えることが、そのまま続かない理由になる
ここがこの記事でいちばん書きたいところです。メディアで紹介される対策は、効くか効かないか以前に、続く形で手元に届いていないことが多いのです。放送で見えているのは、対策そのものだけ。それをいつ、どこで、どのくらいの量、どうやって思い出して続けるのか、という部分は映りません。続けるための段取りは、見ている側が自分で組むしかない。ところがそこは番組では語られないので、多くの人が組まないまま始めます。

脱落を作る三つの落とし穴
私が何度も落ちたのは、この三つでした。
- 量を勝手に盛る。紹介された回数が軽く見えると、効きを早めたくて自分で回数を増やします。増やしたぶん初日にくたびれて、二日目のハードルが上がります
- いつやるかを決めていない。時間で思い出そうとすると、忙しい日にまず飛びます。一度飛ぶと、昨日の分をどうするかで気持ちが折れます
- 比べる相手が家族の機嫌しかない。始める前の状態を残していないので、変わったかどうかを自分で確かめられない。判定を隣の人の反応に預けると、うまくいかない夜がそのまま関係の摩擦になります
この三つに共通するのは、どれも対策の中身とは関係がないということです。体操が悪いのでも、姿勢の工夫が間違っているのでもありません。続ける器を作らずに、中身だけを放り込んだから、こぼれた。私が三日でやめてきた対策は、いま思えばほとんどこれでした。効果を判定する前に、続ける段階でつまずいていたわけです。
だから、テレビで見た対策を評価するときに私が変えたのは、順番でした。効くかどうかを先に問わない。まず、これは自分が二週間続けられる形になっているか、を先に問う。続かない形のまま効果を判定しても、出るのは効かなかったという早すぎる結論だけです。中身の良し悪しは、続けてみて初めて測れる。この順番の入れ替えが、私にとってはいちばん大きな変化でした。
私のケース:番組で見た体操を三日でやめた
私のケース:テレビで見た体操を三日でやめた
私は四十五歳、いびきの当事者です。医療者ではないので、診断や治療の話はしません。ここに書けるのは、自分が何をどう続けられなかったか、という記録だけです。
数年前、健康番組で口まわりを動かすいびき対策が紹介されていました。道具は要らない、今夜からできる、という触れ込みでした。見ている最中は、これならいけると思いました。翌朝、洗面所の鏡の前で早速やってみて、その感触も悪くなかった。ここまでは順調だったんです。
崩れたのは三日目でした。初日と二日目は張り切って、番組で見た回数より多めにやりました。そのぶん頬と舌がだるくなって、三日目の朝は、まあ今日はいいかと飛ばしました。飛ばした瞬間に、昨日までの分をどうしようという気持ちが湧いて、まとめてやろうとして、結局その週末には何もやらなくなっていました。手軽そうに見えたぶん、続かなかったときに、こんな簡単なことも続けられないのかという自己嫌悪だけが早く来ました。
今になって分かるのは、体操が効かなかったのではないということです。私は効くところまで一度も到達していませんでした。三日でやめたのだから、判定する材料すらなかった。にもかかわらず当時の私は、あれは効かなかったと記憶に書き込んで、次の番組を待ちました。効かなかったのではなく、続く形にせずに始めて、続かなかっただけ。同じことを、その後も何度か繰り返しました。
やり方を変えたのは、別室を切り出されかけた夜の翌日に、初めて計測して142点という数字が出てからです。数字が出てようやく、私は続けられていないという事実のほうに向き合いました。買い足す物でも、次の番組でもなく、続ける段取りを先に作る。テレビで見た対策を、そこから検証し直すことにしました。
この失敗から引き出した教訓は、ひとつです。メディアで見た対策は、始める前にわざと小さく削っておく。番組が見せた量のまま始めない。むしろ物足りないくらいまで落として、続いてから増やす。順番を逆にすると、私のように三日で自己嫌悪に着地します。次の節に、その削り方をそのまま手順にして置きます。
続くかどうかで検証する、2週間トライアルの手順
ここが、この記事が担当する中身です。テレビで見た対策を、効くかどうかの前に続くかどうかで検証するための、二週間だけのトライアル手順です。特定の体操の手順ではありません。どんな対策を見てきても、これに乗せて試せる型として置きます。形は、私が使っている教材が全部やらない前提で組まれているところから借りました。
2週間トライアルの手順(対策を一つ選んだあとで)
- 対策を一つだけ選ぶ。番組で複数紹介されていても、持ち帰るのは一つに絞ります。二つ以上を同時に始めると、飛ばした日にどちらを飛ばしたか分からなくなり、検証になりません。
- 量を、番組が見せた半分まで削る。紹介された回数が一日三十回なら、まず十回でいい。物足りないと感じる大きさが正解です。効きを早めたい気持ちは、ここでは全部無視します。
- やる場所を、既にある習慣にくっつける。時間ではなく場所で思い出す形にします。歯を磨いたあとの洗面台、湯船に浸かっているあいだ、など。何時にやるかを覚える仕事を、最初から消しておきます。
- 始める前に、何もしない夜を数晩そのまま記録しておく。比べる出発点がないと、続いても続かなくても手応えがつかめません。測り方と記録の残し方は記録カテゴリに置いてあるので、そこに合わせます。
- 二週間、量を増やさずに同じ形で続ける。途中で効いている気がしても増やさない。物足りないまま二週間を終えるのが、このトライアルの狙いです。
回数の目安:一日一回・二週間。判定は、単日ではなく週の平均どうしで比べる。

注意が三つあります。ひとつ、二週間のあいだは対策を乗り換えないこと。手応えがないと別の番組で見たものに移りたくなりますが、移った時点で検証はやり直しになります。ふたつ、飛ばした日の分を翌日にまとめないこと。まとめた日にくたびれて、そこで途切れます。飛ばしたら、その日は空欄のまま次の日にふつうに戻るだけにします。みっつ、判定を家族の反応に預けないこと。今日はどうだったと毎朝聞くと、相手を採点係にしてしまいます。測るのは自分の側で持ちます。
二週間たったら、はじめて二つに仕分けます。続いたものは、量を少し増やして次の二週間へ。続かなかったものは、効かないと結論する前に、もう一段小さくできないかを考えます。それでも続かないなら、その対策は自分の生活には合わなかった、として一度手放す。効かなかった、ではなく、続かなかった、で仕分けるのがこの手順の肝です。私はこの型に変えてから、始めては消える対策が、ようやく手元に残るようになりました。
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番組で見た体操そのものは、担当の記事に譲ります
ここまで続くかどうかの話をしてきましたが、では番組で見たあの体操の中身はどうなのか、と気になっている方がいるはずです。中身の手順は、この記事では書きません。担当がそれぞれ別にあるからです。ここでは要点だけ短く置いて、リンクで渡します。
テレビの健康番組でいびき対策として繰り返し取り上げられるものは、大きく分けると口と喉を動かす体操と、あいうべ体操のような口呼吸を直す体操に落ち着くことが多い、というのが私が見てきた範囲での印象です。番組ごとに名前や見せ方は違っても、狙っている場所はだいたいこのあたりに重なります。

口と喉を動かす体操の中身は、こちらへ
舌の奥や喉、軟口蓋という、音が鳴っている場所そのものを動かす体操の手順と回数と注意は、この記事の担当ではありません。いびき改善トレーニングの記事に、私が続けている三つを手順ごとまとめてあります。番組で似たものを見た方は、まずそちらの一つを、前の節の二週間トライアルに乗せてみてください。
あいうべ体操の中身と続け方は、こちらへ
口呼吸を鼻呼吸に戻すためのあいうべ体操は、いびきとの関係はあるものの、狙いが少しずれる部分があります。四つの動作の中身や、一日三十セットという回数をどう組み直すかはあいうべ体操が続かなかったときの話に譲ります。私自身、この回数の重さで一度折れた側なので、続ける大きさに落とす話はそちらに書きました。
どちらを選んでも、この記事で言いたいことは変わりません。番組で見た中身がどれだけ良くても、続く形にしてから始めないと、私のように三日で手放して、効かなかったと記憶に書き込むだけで終わります。中身は担当記事に任せて、この記事は続ける器の話に徹します。
検証を始める前に、受診してほしいサイン
最後に、順番だけは間違えないでほしい話を置きます。ここまでは、テレビで見た対策を家で続けるかどうかの話でした。ただ、その前に確かめてほしい線があります。
次のどれかに当てはまる場合は、体操を続けるかどうかの検証より先に、医療機関で相談してください。いびきの音が途中で止まって無音になり、そのあと大きく吸い直す音が入っていると家族に言われたことがある。あるいは、しっかり寝たはずなのに日中の眠気が強く、会議中や運転中にうとうとしてしまう。この二つは、睡眠時無呼吸症候群のサインとされているものです。呼吸が止まっていると指摘されたことや、強い眠気があるなら、自宅で二週間試す順番ではありません。呼吸器内科や耳鼻咽喉科、睡眠外来が行き先になります。どの科へ行くかの整理はいびきは何科かの記事にまとめました。
もう一度書いておきます。私は医者ではありません。この記事で書けるのは、テレビで見た対策を続けられるかどうか、という段取りの話までです。診断や治療の中身には立ち入れません。当てはまるサインがあるのに家で検証を続けるのは、順番が逆になります。
私自身は、録音を聞き返した範囲で、音が途切れる無音は入っていませんでした。低く長く引きずる音が続いているだけで、日中に運転中や会議中に落ちそうになることもない。だから自宅でできる範囲から始めています。この線引きは、自分の都合で動かさないと決めています。
まとめます。テレビで見たいびき対策は、効かないから残らないのではありません。続く形にせずに始めて、続かなかっただけのことが多い。だから見るべきは、これは効くか、ではなく、これは自分が二週間続けられる形か、です。中身は担当記事に任せて、続ける器を先に作る。私が何度も三日でやめた末に、ようやくたどり着いた見方です。
