いびき改善トレーニング|自宅でできる舌と喉の体操3つ

いびきのトレーニングを検索するころには、たいてい何か言われた後だと思います。私もそうでした。
結論から書きます。自宅でやるいびきトレの正体は、舌の奥・喉・軟口蓋という三か所をゆるめて動かす運動です。この記事では私が続けている代表的な3つを、手順と回数と注意ごとそのまま公開します。
この記事の目次
なぜ舌や口を動かすといびきが変わっていくのか
いびきは、空気の通り道のどこかが狭くなって、そのまわりのやわらかい組織が震える音です。いちばん大きく鳴るのは、口の天井のいちばん奥にある軟口蓋というひだが、呼吸のたびに前後にバタバタ震えるときだとされています。つまりいびきは、喉の中で起きている物理現象です。

ここが大事なところなのですが、日中の私たちは、意識しなくても喉を開いた状態に保っています。ところが眠りに入ると、その支えが一斉にゆるみます。舌の奥が喉に落ち、喉そのものが閉じぎみになり、軟口蓋が垂れて風で震える。加齢や疲れで筋肉の張りが落ちるほど、その落差は大きくなります。
私が自分の録音を聞いてはっきりしたのは、鳴っているのは鼻先ではなく、もっと奥だということでした。鼻に貼るテープで鼻の通りが良くなっても、奥が狭いままなら音は残ります。逆に言えば、狭くなっている場所そのものに手が届く方法でないと、音の出どころは変わらないということでもあります。テープで通りは楽になったのに音だけが残るという方は、鳴っているのが鼻の入口なのか奥なのかの見分け方を先に見ておくと、どの体操から選ぶかが決めやすくなります。
塞がる場所は、一か所とは限りません

狭くなる場所は、舌の奥・喉そのもの・軟口蓋・顎まわり・鼻の通りといったあたりに分かれます。そしていびきの原因は、たいてい一つではありません。主な原因が舌の落ち込みでも、そこに顎の緊張と軽い鼻づまりが乗っている、という重なり方が普通です。
自分がどの重なり方なのかを見分ける手順は長くなるので、ここでは書きません。いびきのタイプ診断に、チェックの仕方をまとめてあります。先に読んでも、この記事の3つを始めてから読んでも、どちらでも構いません。
私が学んだ資料の中で、いちばん腑に落ちたのがこの重なりの話でした。一か所だけを潰しても止まりきらないのは、他の場所が残っているからです。逆に、小さな狭まりをいくつか減らしていっただけで静かになっていく人もいます。だから最初から犯人を一つに決めなくても、動かせるところから動かせばいい、と私は考えるようにしました。
だから自宅トレは、寝る前の儀式ではありません。日中に少しずつ積んで、夜に回収するものだと考えたほうが続きます。
グッズを一通り買った私が、運動に戻ってきた理由
先に自分の失敗を書いておきます。この記事で紹介する3つは、私が最短距離でたどり着いたものではありません。むしろ遠回りの果てに残ったものです。

私のケース:グッズを一巡して、録音で足を止められた話
最初に買ったのは鼻に貼る拡張テープでした。次が口を縦にとめるテープ、それから横向きを保つという枕、最後に通販の市販マウスピース。順番に試して、どれも最初の二、三日は静かになった気がして、二週間で元に戻りました。今なら理由がわかります。狭くなっている場所そのものには、何も起きていなかったからです。
足を止められたのは、いびきラボを入れて自分の録音を初めて再生した朝でした。人の呼吸だと思えない低い音が、途切れずに延々と続いていました。最後まで聞けずに止めました。そのときのスコアが142点です。数字が出た瞬間に、グッズを買い足す気持ちが完全に消えました。買い物では動かせない場所が鳴っている、と自分の耳で理解したからです。
その日から、家で口と喉を動かす方に切り替えました。以前にも一度、自力で音を落とせた時期があったので、また同じ道を戻るだけだとは思っていました。ただし、私は医者ではないので治療の話はしません。ここに書けるのは、私が自宅でやっている運動と、そのときの記録だけです。
録音については一つだけ先に言わせてください。トレーニングを始める前に、何もしない状態のまま何晩か測っておくと後がまるで違います。開始前の数字がないと、変わったかどうかを確かめる手がかりが家族の機嫌しかなくなります。私も142点を出した日から、そこをベースラインにして記録を取り始めました。
アプリの数字は、機種や枕元での置き場所によっても動くようです。だから他人の点数と比べても意味がありません。比べるのは、いつも同じ場所に置いた自分の数字だけで十分です。私の測り方と記録の残し方は記録カテゴリにそのまま置いています。
自宅でできる3つのトレーニング(手順と回数と注意)
ここからが本題です。数はあえて3つに絞ります。狙いが違う場所に一つずつ当たるように選んだ組み合わせで、道具は何も要りません。

1. ング・アー(舌の奥と軟口蓋)
舌の奥と軟口蓋を同時に動かす運動です。私が最初に覚えたのがこれでした。
- 座って背筋を伸ばし、舌・喉・顎の力を抜きます。奥歯は噛み合わせないこと。
- 舌先を下の前歯の裏に置きます。ここは最後まで動かしません。
- 「ング・アー」を続けて発音します。ングはリングのングの音、そこにアーをつなげます。
- 音節ごとに、舌の奥だけが動くのを感じてください。ングで舌の奥が上顎へ持ち上がり、アーで下りて、喉の奥に丸い空間ができます。
回数の目安:1分 × 1日1〜2回。これ以上はやりません。
一度だけ、鏡の前でやってみてください。口の奥に垂れ下がった小さなひだと、その奥の壁が見えます。あそこが震えていびきの音を出しています。自分の音源の顔を見ておくと、この運動の意味が体で入ってきます。
コツは一点だけです。顎はゆるめたまま、舌先は下の前歯に貼りつけたまま。舌の奥以外が一緒に動いていたら、狙いから外れています。私がよくやっていた失敗は、音を大きくしようとして顎ごと動かしてしまうことでした。声量は関係ありません。小さい音のままで、動いている場所だけを確かめてください。
声を出しにくい場所しかない日は、息だけでングの形を作るやり方でも、舌の奥は動きます。私は移動中の車の中でこれをやっています。
2. 舌ストレッチ(舌の根元から喉まで)
舌だけでなく喉全体まで開いてくれる運動です。声を出すので、家では風呂場か洗面所が向いています。
- 座って背筋を伸ばします。舌・喉・顎の力を抜き、奥歯を噛み合わせないこと。
- 舌をできるだけ外へ、そして下へ、無理のない範囲でめいっぱい伸ばします。
- 肺いっぱいに息を吸い、エーと言いながら、息を全部吐き切ります。エリックと言いかけてリまで行かない音です。
- 舌を戻します。唾を飲み込みたくなったら飲み込んで構いません。
回数の目安:8〜10回 × 1日1〜2回。最後の2回だけ、エーと言いながら舌を左右に動かします。
伸ばす方向を間違えると効きません。前に出すのではなく、外へ出しながら下へ落とす。喉の奥が一緒に引っ張られる感じが出てきたら合っています。
注意は二つです。舌の付け根に鋭い痛みが出るところまでは伸ばさないこと。それと、息を吐き切ったあとに慌てて吸わないこと。私は最初、回数を稼ごうとして呼吸が浅くなり、途中でくらっとしました。1回ごとに普通の呼吸を挟むくらいで十分です。
3. あくび寸前(喉そのもの)
喉を開く運動としては、私が知る限りいちばん手応えのある実感があります。ただしコツをつかむまでに時間がかかります。最初から完璧にできなくて問題ありません。
- 座るか立って、背筋を伸ばします。
- あくびが出そうで、まだ出ていないときの感じで、はっと息をのむように大きく深く吸い込みます。
- 喉の奥、特に口の奥のほうが、普段よりずっと開いてゆるむのを感じてください。喉に大きなみかんが入っているとイメージすると、感覚をつかみやすくなります。
- 耳の穴のすぐ前、顎の関節に指を当ててみてください。はっきりへこみを感じるくらい顎が落ちていれば、狙いどおりです。
回数の目安:8〜10回 × 1日数回。寝る直前に1セット。夜のあいだ喉を開いた状態に置いておきたいからです。
注意が二つあります。ひとつ、本当にあくびをしないこと。最後まであくびをしてしまうと、私の感覚では喉はむしろ締まる方に戻ります。そこで止めて、普通に息を吐いてください。ふたつ、顎を自分の力で押し下げないこと。喉が開くのも顎が落ちるのも、あくび寸前の感覚の結果として起きるもので、力ずくで作るものではありません。
できているかどうかの目印は、私の場合は音でした。息を吸うときの音が細くならず、太いまま入ってくるとき、喉が開いています。喉の奥でヒュッと細い音が鳴っているうちは、まだ締まっています。
\ 順番に迷ったら /
この3つを誰が、どの順番で何分やるかという組み合わせは、この記事には書きません。そこは気道力メソッドにまとめてあります。今日はまず1つだけ選べば十分です。
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あいうべ体操・舌トレとの関係を、正直に書きます
ここまで読んで、あいうべ体操や舌回しと何が違うのかと思った方がいるはずです。正直に書きます。同じ系統です。争うようなものではありません。
あいうべ体操も、舌の上下運動も、歯科や睡眠外来で口腔筋機能療法(MFT)や口腔咽頭エクササイズという名前で紹介されているメニューも、狙っている筋肉はかなりの部分が重なっています。舌、口のまわり、そして喉の奥。私も一時期、あいうべ体操と今回の3つを両方やっていました。あいうべ体操のほうは1日30セットという回数で先に折れたので、どこまで落とせば残るのかはあいうべ体操が続かなかったときの組み直し方に分けて書いています。
どれがどれだけ効くかという比較の数字は、ここには書きません。私が自分で測れたのは私の録音だけで、他人の何割が改善したという数字を、確かめずに引用するつもりはないからです。
違うのは入口です
- あいうべ体操/口を大きく開閉して舌を出す。口のまわりの筋肉と舌全体に広く当たる。口呼吸の癖に効かせたい人向き
- ング・アー/舌の奥と軟口蓋という、音が鳴っている場所を名指しで狙う
- あくび寸前/筋肉というより、喉を開いた形そのものを体に覚えさせる
どちらが上ということはありません。私が今の3つに絞ったのは、効果の優劣を判定したからではなく、単純に数を増やすと続かなかったからです。朝の洗面所で全部やろうとして三日でやめた経験があります。狙いを絞ったほうが、私の場合は続きました。
すでにあいうべ体操を続けている方は、無理に乗り換える必要はないと思います。足すなら、あいうべ体操では届きにくい軟口蓋と喉の奥を担当するング・アーとあくび寸前を1つだけ追加する、という足し方が現実的です。両方をフルセットでやろうとすると、私のように三日でやめる側に回ります。テレビで見た体操を何度も三日でやめてきた側なら、始める前に続く形へ削る2週間の検証手順をテレビで見たいびき対策が三日で終わる理由にまとめたので、そちらから当ててみてください。
変化を感じるまでの時間感と、やりすぎの注意
ここを書かない記事が多いので、いちばん時間を割きます。第1週は、ほとんど何も動きませんでした。私の録音も、最初の1週間は始める前と大きく変わりませんでした。ここで大半の人がやめます。
私の場合、変化はこの順番で来ました
- 最初の1〜2週/音は変わらない。ただ朝起きたときの口の乾きが少し減る。ここは体感だけの変化です
- 2〜4週あたり/音そのものより、鳴っている時間の割合が動き始めました。録音の激しい区間が短くなる形で出ました
- 数か月/家族の反応が変わってきます。私の場合はここが本番でした
これはあくまで私の一例で、同じ順番と同じ速さで動く保証はありません。体格も、鼻の通りも、飲む量も人それぞれです。ただ、少なくとも数日で判定するものではない、というところだけは共通だと思います。
数字は日によって大きく揺れます。お酒を飲んだ日、疲れ切った日、鼻がつまっている日は簡単に跳ねます。だから単日で一喜一憂せず、何日かをまとめた平均で見るようにしてください。先週の平均と今週の平均を比べる。それだけで気持ちが安定します。私の記録の付け方は記録カテゴリに置いています。
やりすぎは逆効果です
筋トレと同じ気分で回数を増やしたくなりますが、喉は腕ではありません。私は一度、ング・アーを気合で10分やって翌日声がかすれました。
- ング・アー/1分 × 1日1〜2回まで。増やさない
- 舌ストレッチ/8〜10回 × 1日1〜2回。痛みが出る手前で止める
- あくび寸前/本当にあくびをしないこと。し切ると、私の感覚では喉は締まる方に戻ります
喉に痛みや違和感が出たら、その日は休んでください。毎日3分を数か月続けるほうが、週末に30分やるより変わっていきます。少なくとも私は、休んだ日を悔やむより、無理をして声を痛めた日のほうが失う時間が長くなりました。

トレーニングの前に、病院へ行ってほしいサイン
最後に、これだけは順番を間違えないでほしい話です。

次のどれかに当てはまる場合、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の可能性があります。SASは高血圧や心臓の病気のリスクに関わる、医師の診断と治療が必要な状態です。セルフケアで数か月様子を見るのではなく、呼吸器内科・耳鼻咽喉科・睡眠外来を受診してください。
- 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
- 夜中に息苦しさで目が覚めることがある
- しっかり寝たはずなのに日中の眠気が強い(会議中や運転中にうとうとする)
- 起床時の頭痛、起きても疲れが取れない感じが続いている
- 高血圧・糖尿病・不整脈などを指摘されている
私は医者ではないので、治療の話はここまでにします。私が書けるのは、診断がついていない範囲で、家で口と喉をどう動かしているかだけです。逆に言えば、そこは自分の手で動かせる範囲でもあります。
今日は3つ全部やる必要はありません。あくび寸前を、寝る前に8回。それだけで一日目としては十分です。数か月後に振り返ったとき、始めた日の記録があることのほうが、初日の完成度よりずっと効いてきます。
