いびきの種類|原因で分ける4つの入口(鼻・喉・舌・顎)

いびきの種類を調べると、音で分ける説明とタイプで分ける説明が混ざっていて、かえって迷いました。私もそこで一度止まりました。
この記事は原因の起点で分けます。鼻・喉・舌・顎という4つの入口のどこが狭いか、という枠だけを先に描きます。音の分け方と細かい判定は、別の記事に置いてあります。
この記事の目次
「いびきの種類」は、何で分けるかで話が変わる
種類という言葉でつまずくのは、分ける軸が一つではないからです。私が調べた範囲では、いびきの種類の説明は大きく三通りの分け方が混ざっていました。どれも間違いではないのですが、狙っている目的が違います。ここを先にほどいておかないと、記事を読むほど自分がどれなのか分からなくなります。

- 音で分ける/ガーガー、ズーズー、ピーピー。聞こえ方で見当をつける分け方です
- 原因の起点で分ける/鼻・喉・舌・顎。空気の通り道のどこが狭くて鳴っているかで分ける分け方です
- タイプで判定する/座って確かめるテストで、自分がどれ寄りかを一つずつチェックしていく分け方です
この記事が担当するのは、真ん中の原因の起点で分けるところだけです。音での分け方は聞こえ方ごとの見立てをいびき音の種類に、座って自分を判定するテストの手順はいびきの原因タイプ診断に、それぞれ置いてあります。判定はそちらでしてください。私はこの記事では、入口の地図だけを描きます。
なぜ「入口」で分けておくと得なのか
対策の当たり外れを、買う前に見当づけられるようになるからです。鼻に効く道具、口に効く道具、舌や喉に手を入れる動き。それぞれ届く入口が違います。自分がどの入口の箱に手を入れようとしているのかを先に持っておくと、効かなかった夜の理由が「入口が違った」なのか「入口は合っていたが力が足りなかった」なのかで切り分けられます。狭くなる原因を全部並べる話や、要因が重なる仕組みそのものはいびきの原因の担当なので、この記事は種類を入口で分ける枠だけに絞ります。
先に断っておきます。私は四十五歳、いびきの当事者で、医療者ではありません。診断や治療の中身には立ち入りません。この記事で書けるのは、種類を入口でどう並べるか、という枠までです。
原因で分けると、入口は4つになる
空気の通り道は、鼻の入口から喉の奥まで一本の長い管でつながっていて、そのどこが細くなっても、条件がそろえば音は出ます。管のどこがどう震えて音になるのかという解剖はいびきが鳴る仕組みに置いてあります。この記事では、その管のうち細くなりやすい場所だけを取り出して、四つの入口に整理します。

- 鼻の入口/小鼻から鼻の奥まで。通り道そのものが狭いか、粘膜が腫れて塞がる箱です
- 喉の入口/喉の奥の空間の広さ。もともとの空間が狭いか、支える力が抜けて閉じぎみになる箱です
- 舌の入口/舌の付け根。眠って力が抜けると、喉側へ落ちてくる箱です
- 顎の入口/舌が収まる器としての顎。器が狭いと、同じ舌でも落ちたときの影響が大きく出る箱です
口の天井の奥にある、やわらかく垂れたひだ(軟口蓋)は、音そのものが鳴る場所としてよく挙がります。ただ、そのひだが震える引き金は、たいてい上の四つのどこかにあります。だからこの記事では、軟口蓋を五つ目の箱として立てず、四つの入口が引き起こす結果として扱います。鳴る場所そのものを解剖から知りたい方はいびきが鳴る仕組みへどうぞ。
四つに分けたのは、乱暴でも細かすぎでもない、ちょうど手を動かしやすい粒だからです。二つ(鼻と喉)だと打ち手が絞れず、六つ七つに割ると今度は覚えきれない。鼻・喉・舌・顎の四つは、それぞれ手の入れ方の向きがはっきり違うので、地図の目盛りとして扱いやすいのです。ここから四つの箱の中身を順に見ていきます。ただし自分がどの箱かを確かめるテストの手順は、この記事には書きません。それは判定の記事の担当なので、ここでは箱ごとに何が起きているのか、どちらの方向に手を入れる箱なのか、という見取り図に絞ります。
鼻の入口と、喉の入口
まず、管の上のほうにある二つの入口です。ここは「どちらの方向に手を入れる箱なのか」をはっきりさせておくと、あとで対策を選ぶときに迷いません。
鼻の入口
鼻の箱は、通り道を広げる方向の入口です。特徴は、鼻だけの問題で終わらないこと。鼻が詰まると口で吸うようになり、それが下の箱(舌や喉)の狭まりを連れてくるので、鼻は「入口であり、他の入口の引き金でもある」二重の顔を持ちます。この連鎖の仕組みや、鼻づまりの時期性(花粉・風邪・慢性の別)はいびきの原因と鼻づまりといびきに譲ります。地図の上では、鼻はいちばん上流の箱で、ここが詰まると下流ぜんぶに札が回る、とだけ覚えておいてください。口を閉じていても音が鳴るなら、震えているのは口の奥ではなく鼻側の可能性が上がる、という手がかりは、入口を見分けるときに役立ちます。
喉の入口
喉の箱は、奥の空間を保つ方向の入口です。喉の奥の空間そのものの広さの話で、生まれつき狭い人もいれば、支える力が抜けて眠ると閉じぎみになる人もいます。四つの入口のなかでも呼吸の止まりにいちばん近い箱なので、後の節でもう一度触れます。

地図の上では、喉はいちばん下流の箱です。上流の鼻で口呼吸が起き、中流の舌が落ちてきて、最後に喉の空間が押し潰される。仰向けで急にひどくなる、寝入って少ししてから低い音が出はじめる、という出方をするなら、喉と、次に説明する舌の箱が重なっていることが多いです。この二つは隣り合っているので、きれいには分かれません。
舌の入口と、顎の入口
次は、管の下のほうにある二つの入口です。この二つは、痩せている人でもいびきをかく理由を説明してくれる箱でもあります。
舌の入口
舌の箱は、落ちるのを止める方向の入口です。眠って力が抜けると、舌の付け根は喉側へ落ちます。起きているあいだは上あご寄りに収まっているのに夜だけ音が出るのは、この落ち込みが夜にだけ起きるから。仰向けで上を向いた瞬間だけ音が始まる、という人はこの箱が濃いです。

舌の箱に効く動きは確かにありますが、その手順と回数は自宅トレの記事の担当なので、ここでは中身に立ち入りません。地図の上で覚えておきたいのは、舌は四つのうち唯一「戻せる力」で動く箱だということです。鼻は道具、顎は形、喉は空間の広さで、いずれも外側の条件が大きい。舌だけは、支える力を戻す側に自分の手が届きます。四つのうちどこから始めるか迷ったとき、この一点が効いてきます。その手を動かす前に、寝る前の力みをゆるめて呼吸の土台を整えておく話はヨガと呼吸法で土台をゆるめるに分けて置きました。
顎の入口
顎の箱は、器の狭さを織り込む方向の入口です。舌が収まる器としての顎の話で、あごが小さい・後ろに引っ込んでいると、同じ舌でも収まる場所が狭くなり、落ちたときの影響が大きく出ます。体重を落としても音が残る人、痩せていた若いころから言われていた人は、この器の箱に札が乗っていることがあります。顎の器や鼻・喉の形の深掘りはあごが小さい人のいびきといびきの原因に譲ります。器そのものは生まれつきの部分が大きく、生活では動きません。だからこそ、動く箱(舌)を丁寧に扱う理由になります。自分では判断のつかない形が混ざるので、気になる場合は耳鼻咽喉科で見てもらうのが早いです。
四つ並べると、手の入れ方の向きがそれぞれ違うのが見えてきます。鼻は通り道を広げる、喉は空間を保つ、舌は落ちを止める、顎は器の狭さを織り込む。この向きの違いこそが、四つに分けた意味です。向きが同じ入口をまとめ、違う入口を分けておくと、対策を新しく知ったときに「これはどの入口の箱の話か」で棚に入れられます。
\ 入口が見えたら、順番の話へ /
四つの入口のどれから手をつけるか、重なっているときの組み立て方は気道力メソッドにまとめてあります。今日は、自分がどの入口寄りかの見当がつけば十分です。
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種類は一つに決まらない。一晩でも入れ替わる
ここが、この記事でいちばん書いておきたかったところです。いびきの種類は、たいてい一つに決まりません。四つの入口のうち二つ三つが同時に狭くなって、初めて音になります。しかも、その日の主役は日替わりで入れ替わりますし、同じ一晩のなかでも入れ替わります。
「なぜ二つ三つ重なると音になるのか」という原因の重なりそのものはいびきの原因の担当なので、ここでは深追いしません。この記事で言いたいのは、その重なりの結果として種類(=その夜の主役の入口)が固定されないという一点です。
私のケース:自分の音はガーガー一択だと思っていた
私は長いあいだ、自分のいびきは一種類だと思っていました。低くガーガー鳴る、あの一択だと。だから種類を分けるという発想がそもそもなくて、原因も一つに決めて、そこだけを狙って道具を買っていました。買った物の名前をここで並べる気はありません。問題は、種類を一つだと思い込んでいたこと自体だったからです。
考えが変わったのは、別室を切り出されかけた夜の翌日に、初めて枕元で録音して、その音を朝に聞いた日でした。スコアは142点。数字も重かったのですが、それより、音が一晩のうちに何度も変わっていたことに驚きました。寝入りばなと、夜中と、明け方で、鳴っている感じがまるで違う。ガーガー一択だと思っていたのは、たまたま覚えていた一場面だけだったわけです。
そこから、種類は一つではないという前提でもう一度並べ直しました。音の細かい聞き分けは私には難しかったので、そこは音の記事に任せて、私は入口の箱のほうを数える側に回りました。一つに決めようとしていたのをやめて、当てはまる箱に全部印を付ける。やり直しは、そこから始まりました。
入れ替わる理由を一言でいえば、その夜に重なった入口の枚数と組み合わせが違うからです。枚数が変われば、その夜いちばん狭い入口、つまり主役も移ります。家族が日によって反応を変えるのは、あなたの体質が入れ替わったからではなく、その夜に主役を張った入口が違うから、という見方ができます。だから種類を調べる作業は、犯人を一人に絞ることではありません。重なっている入口を、できるだけ多く見つけて並べることです。音そのものの聞き分けから入りたい方はいびき音の種類へ、座って一つずつ判定したい方はいびきの原因タイプ診断へ、それぞれ進んでください。この記事の四つの入口は、どちらの記事に進んでも地図として持っていけます。
種類分けの前に、ここだけは受診が先です

喉の箱の話で先送りにした点に戻ります。いびきの途中で音が止まって無音が続き、そのあと大きく吸い直す音が入る。あるいは寝ているあいだに呼吸が止まっていると指摘された、寝たはずなのに日中の眠気が強い(会議中や運転中にうとうとする)。このどれかに当てはまるなら、自宅で種類を数える前に、医療機関で相談してください。とくに呼吸停止の指摘と日中の強い眠気の二つは、入口を数える順番より先です。どの科に行くか、どんな検査があるかはいびきは何科かにまとめてあります。私自身は録音を聞いた範囲で、呼吸が止まる無音は入っていなかったので、自宅でできることを選べています。もう一度書いておきます。私は医者ではありません。当てはまるサインがあるのに種類分けを続けるのは、順番が逆になります。
4つの入口を、一枚の紙に並べる
四つの入口を頭の中だけに置いておくと、人はいつのまにか一つに絞ってしまいます。私がガーガー一択だと思い込んでいたのが、まさにそれでした。だから最後に、四つの入口を紙に出す作業を置いておきます。これは教材の最初に私が作った、四つの入口シートの作り方です。お金も道具も要りません。
四つの入口シートの作り方(5分)
- 紙を横に置いて縦線を三本引き、四つの列を作ります。左から鼻・喉・舌・顎と見出しを書きます。
- 各列の下に、その入口の手を入れる向きを一言で書き足します。鼻は通り道を広げる、喉は奥の空間を保つ、舌は落ちるのを止める、顎は器の狭さを織り込む。この一行が、あとで対策を選ぶときの向きになります。
- この一週間で思い当たった手がかりを、当てはまる列に印を置きます。一つの列に絞りません。迷ったら、同じ手がかりを複数の列に置いて構いません。重なりを見つけるための紙だからです。
- 印が付いた列が、あなたが最初に見るべき入口です。ただし、その列で本当に合っているかの判定は、この紙では出ません。座って確かめるテストはいびきの原因タイプ診断に置いてあります。
回数の目安:最初に一回、種類が変わった気がした週にもう一回。一回5分まで。
シートを「読む」ときの三つのコツ
作った紙は、印を数えて終わりではありません。四つの入口シートは、次の三つの読み方をして初めて地図として働きます。
- 列の数より、印の寄り方を見る/印が鼻と喉の側に寄っているのか、舌と顎の側に寄っているのかで、上流型か下流型かの当たりがつきます。上流の鼻に寄っているなら、下流の札は連鎖で乗っているだけかもしれません。
- いつの印かを、忘れず添える/花粉の時期に鼻の列が増えた、飲んだ翌朝に喉の列が増えた、という気づきは、印そのものより価値があります。入口は入れ替わるので、季節と曜日をメモに残しておくと、あとで主役の移り方が見えてきます。
- 動く列から手をつける/四つのうち自分の手が届くのは、舌の列と、鼻の一部です。顎の列は器の話なので、そこに印が多くても最初の一手には選びません。動く列を先に、動かない列は勘定に入れるだけ、と分けておきます。
注意が二つあります。ひとつ、一つの列に絞ろうとしないこと。絞った瞬間に、重なっている入口を見落とします。私はここで二度失敗しました。ふたつ、音そのものの聞き分けは、この紙でやらないこと。音は入れ替わるので、紙の上で固定すると取り違えます。音の見立てはいびき音の種類の担当なので、紙には入口の箱だけを残してください。
最後に、私が自分に言い聞かせていることを書いておきます。入口が四つに分かれているのは、面倒なようでいて、手をつけられる場所が四か所あるということです。もし入口が一つきりで、それが動かせない種類だったら、打つ手がなくなる。四つあるからこそ、動く入口から順に、紙の上で選んでいける。ガーガー一択だと思い込んでいた私が、いま四つの箱を数えているのは、そういう理由です。
数字がどう動いたかは記録のほうに、上がった週もそのまま置いてあります。種類の地図が描けた人から、順番の話に進んでください。
